メイド喫茶pleasure garden
シャーロット
第1話 『お帰りなさいませご主人様』
カラ~ン、カラ~ン
入口のドアに取り付けられている鐘の音がロビー一杯に響く。
その瞬間
「お帰りなさいませご主人様」
入ってきたお客様に向かって満面の笑顔で元気一杯なお出迎えの声を張り上げる。
ここは、ピンクや純白のロリータ服に身を包んだメイド達がご主人様のお帰りを待つ
お店の前に5台位の停めれる駐車場と2階部分のデッキになった野外デッキの下に4台合計9台の車が止めれる。
一階部分に10テーブル
pleasure gardenのドアを潜ると、2階部分まで一部吹き抜けになった空間
その吹き抜けになった空間に設置された、インテリアとして置かれた自動演奏が出来るピアノ
一部吹き抜けの空間の2階部分の横に10テーブル
そして会議が出来るVIPルーム1室、その外に広がる野外デッキ
野外デッキは開け閉めできるガーデンルーム
その全てが白で統一された世界
今現在17時を少し過ぎた頃
その殆どの席が男性客や男女のカップルで埋め尽くされようとしている。
最初この
丁度その頃、うちの母親は父親の再三の浮気にぶちきれてとうとう離婚
私と妹の事を考えて何とか我慢していた母親だったのだけれど、流石に3度目に浮気をされた時には切れに切れて離婚を決意
これが本当の3度目の正直?
姉夫婦が家業の安藤不動産を継ぐつもりで実家の隣の古アパートを取り壊して親が元気な間喫茶店をしようと始めた
そんな絡みで、家業の不動産業にが忙しい母親に変わって姉夫婦が経営していた此処、喫茶店だった
だから普通のメイド喫茶みたいに男性客が大半って感じではなくって、昔っからの常連客、そして新生
私が
その頃はお姉さんと旦那さんが厨房をやり社員さん3人を使って営業していたけれど、今じゃ厨房は母親のお姉さんと旦那さん、そして私が高校の授業終わって17時から忙しいと交代で厨房に入ってる。
最初は母親の姉夫婦は家を継ぐつもりで安藤性を名乗っていたけれど、今じゃ私のお母さんが安藤不動産の実質オーナーになっちゃってるから、もう姉夫婦が安藤不動産を継ぐきはもうとう無いみたい。
お姉さんの名前は、
旦那さんの名前は、安藤
同じ小学校の同級生からの付き合いらしいけれど、忙しくて子供を作る暇が無い?ってボヤいている。
誰か一人さやかさんの代わりに料理の出来る人を一人増やせば良いのだろうけど・・
今の所厨房を任せれる腕利きの料理人が居ないっていうのが悩みの種
私の母の安藤
何とか調理が出来る優秀な人早く見つけて、さやかさんが子供を産める環境にしてあげたいな!!
『高齢出産だけはさせないように・・』
って思ってたのに・・・
ちょっと過ぎちゃったわ・・
なんで私が姉夫婦の子供の心配しなきゃなんないのよ!!
なんて自虐的になってしまう私
ロリータ服での異色の
高校生のメイドアルバイト5人
そして社員メイドさん5人
そして私、さやかさん、直樹さんの総勢23人
この人数で
一階部分10テーブル
2階部分10テーブル
そして2階外のガーデンルーム10テーブル
の合計30テーブルとVIP対応の会議室を回さなければいけない。
高校生アルバイトは私と同じで通常の日は授業が終わってからの17時頃から20時までの勤務
大学生のメイドアルバイトさんは授業の組み合わせで勤務時間が変わってくるから、アルバイトさんのシフト可能な時間帯をスマホで予約入力してもらい社員メイドさんでシフトを埋めた後、打ち込んでもらった空き時間を見ながらシフトを埋めてゆく。
そして最終シフト表が出来上がる前に電話でアルバイトんさんのシフトを確認して最終決定。
何でなのか、
さやかさんと直樹さんって調理の腕はプロなんだけど・・
『経営センスまるっきしダメ』
従業員のシフトはめちゃめちゃだし・・
原価計算無視・・・
はっきり言ってザル経営
はっきり言ってあの2人に任せてたら確実にpleasure garden潰れる!!
そんな訳で、さやかさんと直樹さんには厨房専属で担当してもらって、ここの経営は実質私が握っちゃってる・・・
考えてみると・・
私って母親が離婚して以来学校から帰ったらこの
今日は火曜日で少しお客さんも切れてきた合間を縫って事務所の机の前で、シフト表を完成させて椅子に座ったまま机に両足を乗せ、両手をだらしなくがくんと落として上を向いたまま
「終わった~~~」
と言って、がくんと落とした両手を真上に上げて背伸び!!
『う~気持ちいい~~』
背伸びをした爽快感に思わず心の中でそう呟いてしまってた私
「冷たい!」
そんな無防備な私の頬に突然押し付けられた四角い冷たい物体に、思わずそんな悲鳴を上げてしまってた。
「お姉ちゃんそんなみっともない格好誰かに見られたらどうするんですか~パンツ丸見えですよ?」
と可愛く私を覗き込んできた一つ違いの妹
安藤
私と同じく母親が離婚してから、此処
でも、優奈はあまりここの仕事には興味は無いみたい。
そんな優奈に
「此処は女の園、男なんて居ないんだから見られたって良いじゃん良いじゃん~」
とだらしない格好のまま文句
「ふっふっふ~~何時もそんな格好してるから私のパンチラライブラリはおねえちゃんのパンチラで直ぐに一杯になるんだよ~今日は過激にレインボー柄の紐パンなんだ~またまたお宝ゲット~」
と言って私が机に上げている脚ごしに写メ!!
「優奈~それじゃ~モロ見えじゃん」
「良いの良いの~私のクラスの女子は皆おねえちゃんのファンなんだから高く買ってくれるのよ~」
ってトンデモ発言に
「アンタ私のパンチラ写メクラスメイトに売りつけてるの?」
「売りつけるなんて人聞きの悪いこと言わないでよね。私はただ欲しい欲しいって無理やりせがまれるから売ってるだけよ!!それより、お疲れ~何時ものコーヒー牛乳差し入れだよ」
と従業員用自動販売機から買ってきた紙パック製のコーヒー牛乳を私に差し出してくる優奈。
『うまくはぐらかされた感じだ・・・』
まあ優奈の話にのってやるかなと思い
「ありがと」
と言って差し出されたコーヒー牛乳の紙パックを受け取りストローを刺して一気に飲み干した。
どうも私はこの界隈では相当に有名人になっていたらしい。
そんな私のパンチラ写メは相当なレア物件として高値で取引されていることなどこの時、知る由もなかったのである。
後で発覚したことではあるけれど、優奈の中学では私は
『理想のお姉様』
という事が既成事実となってしまっていた。
知らない事は幸せである!!
紙パックのコーヒー牛乳を飲み干して一息ついた頃
カラ~ン、カラ~ン
入口のドアに取り付けられている鐘の音がロビー一杯に響いてくる。
事務所のモニターを覗くと、皆お客様の接待で出払って誰もいないみたい。
「いっちょ仕事してきますか~。優奈もピアノお願い」
そうお願いすると
「おねえちゃんには敵いませんが、私も弾いちゃいますか~」
そう言って私と優奈は事務所を後にする。
つづく・・・
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