銀の悪魔 第2部

@tamakichi3

第1話歌舞伎町の事件

新宿歌舞伎町 東京都でも大きな歓楽街だ。 沢山の飲み屋がある。店の前では若い男や女達が客を呼び込むために歩いている人に声をかけている。ホストクラブの前には男達の写真が飾られ女はそれを見て自分好みの男のいる店に入りキャバレーでは男は自分好みの女の子がいる店を選ぶのだ。その他にも呼子という男女がいてたったの2000円などと謳い客を店に入らせ飲ませてからボトル代などと言って法外な請求をしたりする店もあった。


そんな店を摘発する為に所轄の捜査員がある店の周辺に集結していた。囮役の捜査員が呼子と共に店に入って行ったのを見守り合図と共に一斉に摘発する予定となっていた。

囮となった捜査員からの合図を捜査員全員が緊張しながら待っていた。捜査員が今か今かと待っていたその時合図がかかり店内になだれ込んだ。

突然の事に店内は騒然となり客として来ていた者も従業員も共に唖然とするばかりだった。

捜査員が家宅捜査令状を提示して店の捜索に入ったところで思わぬ事態に遭遇した。店の奥で薬物で朦朧としている女が監禁されていたのだ。恐喝容疑での家宅捜査から一転して傷害現場になったのだ。捜査員達に緊張が走った。傷害の現行犯で店長は拘束されたのだった。

監禁されていた女は救急搬送され命には別状がなかったがかなりの薬物摂取による意識障害を起こしていて身元の確認ができなかった。


翌日の朝から本格的に捜査が始まった。新宿署の岩山は野中と共に捜査本部が立てられた会議室へと向かった。

岩山と野中は新宿署の所轄の刑事で岩山は野中の先輩にあたる。岩山は高卒出の刑事でたたき上げだ。一方の野中も私立の大学を出た後交番勤務を経験したのち新宿署へ配属された経緯を持つ。普段から二人はコンビを組んで捜査にあたっていた。

「麻薬課との合同捜査ですよね?」そう聞いてきたのは野中だ。

「そりゃそうなるさ!このヤマに関しちゃ麻薬課にしてみたら棚ぼただろう。それにマル暴も関わってくるから厄介なヤマになるな。」岩山はやれやれといった感じで答えた。

捜査会議は岩山の言った通り麻薬課とマル暴(組織犯罪対策部)との合同捜査となった。


昨日逮捕された店の店長らは調べに対し店内にいた女は銀龍会の根岸が連れてきたので自分たちは知らないし薬物も自分たちは全く関係ないとの一点張りだった。根岸と言うのは銀龍会のチンピラで早速指名手配された。


監禁されていた女性は 太田 弘美 23歳で大久保のアパートに一人で住んでいるOLだった。職場は都内にあるアパレルメーカーで勤務態度は良かったが、3日前から無断欠勤していたらしかった。それ以外についてまだ何もわかってはいなかった。

所轄の捜査員達は合同捜査というものの薬物も組織犯罪も元々管轄では無い為、なかば応援のようなもので野中と岩本は歌舞伎町界隈の聞き込み捜査に駆り出された。








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