第12話 「朝一のハレンチ」

小雨が降る朝。

20代後半くらいの女性が乗って来た。


平日であるが、仕事の格好でもなく

出かける装いでもない。

シンプルな服装。


見た目は大人しめで可愛らしく、

行き先を丁寧に伝えたあとに「お願いします」と添える

優しさも感じる方。


特に会話をすることもなく、目的地まで向かった。


到着し、お会計をするときだった、その女性に驚かされた。


支払いの確認のために、後ろを振り向くと、胸元の大きく開いた状態で

彼女は前屈みになって座っていた。


「胸元が見えている」

という事故的表現より、

「おっぱいを見せている」

という故意的表現の方が正しいのではないかと思えるほど

前屈みで胸元が大きく開いている。


そして、驚いた理由でもあるそれを決定付ける瞬間も見た。


会計の確認のため後ろを振り向くとき、

振り向きざまの残像の中に

胸元を手で開いている様子が見えた。


朝一でエロスな感情は頭の片隅にも無かったため、

一瞬驚いてしまったが、普通にお会計をして降りて行った。


対応によっては展開が変わっていたかもしれないと思う。


彼女は、薄っすらと挑発的な笑みを浮かべていた。


  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る