第5話 「日本を代表する大企業の上司と部下の本音の話」
男性が二人乗って来た。
30代前半の先輩男性と20代後半の後輩男性。
午後3時頃、商談を終え、これから会社に戻るところだった。
その会社は、今や誰もがしる日本の有名企業。
その二人は乗って早々、先ほどまで行われていた商談を振り返り意見を交わし始めた。
先輩が思うことをまずは喋り、それに対して後輩も意見を出す。
先輩は、そこに否定をすることはなく
「なるほどね、確かに」と
後輩の見方、感じ方を受け入れて会話を繰り返す。
意見の出し合いが終わると、取引先との今後の進め方についてお互いの認識を一致させる。
その後は次の予定、今週の予定、そしてこの会社のトップがどういうことを考えているのか。それを踏まえて上司がどう思っているのか。
短い時間でありながら簡潔に明確に話を進めていく。
「(これが、あの速さで日本のトップへと駆け上がる企業の人たちか~)」
先輩だからと、なんでも分かったようにすることはなく、
後輩を承認し、意見を受け入れた上で自分の意見を話す。
もろもろの必要事項の会話が終わり
目的地も近づいてきた。。。
そこで、先輩からひと言
先輩(以下先)「どう?最近は仕事楽しくなってきた?」
後輩(以下後)「いやー、まぁ最初の頃よりは、、」
先「移って来たばかりで慣れてないだけってこともあるから」
後「そうですよねー、、全体的に理解は出来てきました」
先「いいじゃん」
きっと、少し前に転職か異動で移ってきて今の先輩に楽しくないことを相談していたのかもしれない。
後「でも、なんか、まだ、、言語化はできないですけどやりきれてない感じがしますね」
先「最初はそうだよ、俺もさー全然やる気なかったもんね」
後「そうなんですか!?」
先「うん。俺だって最初来た時、どこに進んでるかまったく理解できなかったからね」
確かに、その企業はトップの人間を筆頭にもの凄いスピードで
進化し続けている。
後「へぇー、そうなんすね」
話を聞いていたいところだが、目的地はすぐそこ。
会話は終盤。
先「今はまず、一つ一つ課題を潰していきながら楽しめるようにしていこう」
後「そうですね」
先「絶対楽しめるようになる、俺が楽しめるようにするから」
後「ありがとうございます」
車を止めるのと同時に会話を綺麗に終わらせた。
この辺も、さすがあの企業だ!と感じる。
お支払いを済ませ、二人は社内へと入っていった。
私「(なんて素敵な関係性や!!そりゃあれだけの企業になるわ!!)」
文章では伝えられない信頼関係がそこにはあった。
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