死者の選択

勝利だギューちゃん

第1話

「やあ、久しぶりだね」


僕は死んだ。

あっけなく。

そして、あの世に逝った。


そこに、彼女がいた。

クラスメイトだった彼女が・・・


仲は良かった。

でも、恋人まではいかない。


それで、よかった。


でも・・・


半年前に、彼女が逝った。

前触れもなく、あっけなく逝った。


心の準備が出来ているはずもなく、青天の霹靂だった・・・


そして、僕も後を追うように・・・


「まさか、こんなに早く、君と再会できるなんて、思わなかったよ」

彼女は笑う。

笑うところではないと思うが・・・


「よかったよ。君が私と同じ世界に来てくれて・・・」


そうか・・・

あの世って、いくつかの世界に別れているんだっな・・・


ここは、どこだ?


「ねえ、天国行きか、地獄行きか、どうやって決めてるかわかる?」


それは、生前の行いと言われているが、宗教により異なる。


「それはね。多数決なんよ」


多数決?

そんな簡単な決め方でいいのか?

死者にくじ引きをひかせたほうがました。


「つまりね。生前の行いがよくても、地獄の票が集まったら、その人は地獄なの」

逆なら、天国か・・・


理不尽だな・・・


「でね、私と君は、完全同数。つまり、どっちにも行けない。

それが、この世界」


じゃあ、どうなるんだ?


「大丈夫だよ。まだ私たち自身の票が残ってる」


ぼくは迷わずに、自身の票を地獄に、彼女の票を天国に入れた。

生前の行いを、少しでも償いたい。


そう思っていたのだが・・・


「まだ、ここにいることになりそうだね」


彼女がいた。

元の世界・・・


狭間の世界というのか・・・


「君と同じ事をしたんだよ」

そっか・・・


「しばらくは、恋人同士だね。よろしく」

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死者の選択 勝利だギューちゃん @tetsumusuhaarisu

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