武器屋1
意気揚々とギルトを出たが外はかなり日が落ちている。これは依頼は明日だな。
寝る必要が無くなったカラダなので時間だけはある。
なにをしようか。使わないが少しだけでも武器屋でも見るか。武器屋まで向かう。
武器屋の中に入る。
壁に高そう剣などが飾ってあったり、
樽の中に入った剣や槍などで部屋いっぱいだ。
武器屋の店主であろう背の低い男がこちらを見て
「兄ちゃん、悪いけどもうすぐ店じまいだ。もし買うんならはやくしてくれよ」
おっとそうだった。
金はない、だが金属で試したいことがある。
彼は背の低い男の前まで行き、なんとか頼む。
『クズ同然の金属はないか?もしあれば譲ってもらいたい』
もらえたら儲けものだ。
「なんだよ、買いにきたんじゃないのか冷やかしか?」
感に触ってしまったようだ。まずい。
苦し紛れの弁明をする。
『いや、今は金がないんだ。だがこの武器たちは中々のモノだと思う。』
「ん?武器がなんだって?」
『あーいや、武器たちが素晴らしいモノだと』
店主は褒められたのが嬉しかったのか彼のそばまで駆け寄る。
そして、彼の背中を何度も叩きながら強く喋べる。
「そりゃそうだろ!なんてったってこのマッテオ様が作ったモノだからな」
店主―――マッテオは店の奥に行き大きな布に包まれたモノを持ってきた。
「これが俺が作った、一番のモノだ」
包まれた布を解く。
そこには透明感溢れる大きな真っ白な大剣が。
「これはミスリルで打った剣だ、その中でも思い出深いモノで…」
マッテオの話が始まった。
見かけよらず繊細な技術の持ち主らしい。
マッテオの話は長かったが、
鉱石や武器のあれこれを結果的に知ることができた。
「てなわけだ、そーいや兄ちゃん名前わ?」
『ハートだ』
「ハート、いらないクズ金属が欲しいんだったな?」
『ああ』
「うちにはクズの金属はない。俺が全部無駄なく使っちまうからな。だがその樽の中に入っている武器なら一つ持っていってもいいぜ」
『これは売り物だろ?』
「久しぶりに武器の話ができたんだ、それが代金だ」
それはマッテオが勝手に話していただけだが。。。
『本当にいいのか?』
「持ってけ、そんなに不安なら今度酒でも持ってこい」
マッテオは笑っている。
これ以上はマッテオに対して失礼だろう。
『わかった、そうさせてもらう』
ハートは、樽を見る。
その中でも、なるべく厚そうな剣を選ぶ。
『これをもらってく』
「それか、ならこれも持ってけ」
マッテオはハートに向かって
腰に巻くベルトと金属でできた鞘を手渡した。
「さあ店じまいだ、出てった出てった」
ハートは頭を下げ、店を出る。
金ができたら酒を買って彼の元にまた行こう。
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