プロフィール
以上、非常に簡潔だが、それが彼ら彼女らのプロフィールであり、それ以外に詳細に書きようがない。格好も似通っていて、遠目には誰が誰かの区別もつかない。ただ、よく見ると、フードにそれぞれ地味ではあるが模様や飾りを付けるなどして、分かる人間には分かるような工夫もしている。
皆、物心がつく以前から玩具代わりに<びしゃん>を振るい、凍った土に穴を掘ることを遊びとして育った者達だった。それ以外には趣味らしい趣味もない。娯楽がないのだから当然だ。子供らしい遊びも知らない。迂闊に外に出てはしゃげば待っているのは死なのだ。実際、親が目を離した隙に外に遊びに出て凍死したり肺が凍って窒息死する子供は毎年必ず出る。そういう世界なのだから。
故に、幼くても彼ら彼女らはこの世界の立派な住人であった。
なお、学舎は、町ごとに校舎は別れているが全て<学舎>と呼ばれ一括で管理運営されている。
「それでは、よろしくお願いします」
そう言ったひめが凍土にツルハシを振るいそれを見る間に穴を穿つと、それによって出た残土を、トラックに繋いだソリへとシャベルで積み始めたのだった。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます