最も気軽に転生した男の職業は戦士のはずが

寺院

第1話 始まり

転生するなら美女がいい!

転生専門店「てん屋」にオーダーする、俺。


渡辺修(48)


皆からは、なべおさみと呼ばれている。

どうでもいいことだが。


時、場所、容姿、性別、種族


いいコースはこれらが選べる。しかし、値段が高い。

俺は、この内3つが選べるスタンダードコースを選択した。

人間

綺麗

ベッドに寝かされ、それこそ綺麗な女性店員に、いってらっしゃいませ~

そう言われ、迫る睡魔に身を委ねる。





うぅぅ

目が覚める。まず変身した(転生なんですがね)自分の姿が見たいと起き上がろうとするも、なかなか身体が言うことをきかない。

関節がギシギシと悲鳴をあげる。

長い間寝ていたからか(どうかはわかりませんがね)立ち上がるだけで一苦労する。


場所は現在か?それも俺の部屋っぽい。

そして、鏡を見よう。綺麗な女だと保証されてはいるが、なべおさみ。俺の姿を見よう。


見た

鏡を見た

パッチリおめめに、鼻筋が通り

唇はポテンとして艶があり、これはもう

美女だ。間違いなく美女だ


身体に手をやると推定Gカップはあろう胸は垂れ下がる道半ばで思い止まっている。

腹や尻も同じく、重力に最後の抵抗をしている段階である。

薄々感じていたが、肉付きは程よく、拒絶感もない。艶めかしいマダム…


これ48歳やろ!歳はそのままやんか!

突っ込みながらも、満更でもない、おさみ。

頬は赤らんでいる。


そして、クローゼットを開け、服を着ようとした。


な、なんじゃこら


着エロアイドルが着るようなギリギリ感溢れる水着ばかりだ。激アツだ。

大事な所を最小限に守る水着もあれば、大事な所のみ守らない水着もある。(この世界では鎧なんですが。)

そして、その身体に見合わぬ大きな剣。

盾はない。

大剣一本と、際どい水着。

只事ではない世界に飛び込んだ、そんな予感がヒシヒシと伝わってきて、身震いがした。

刹那、じょろじょろと音をたてて排尿。


尿意だったのか……


おさみの前途は多難である。

だがしかし、全盛期の高島礼子の様なルックス、それに加え五月みどりの色気を手に入れた、なべおさみ。そこには、もう迷いはなく、目的も分からぬ冒険に胸を高ぶらせていた。


颯爽と扉を開け、駆け出すおさみ。


大剣も、そして際どい水着すらも着るのを忘れているのだった……。




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