水☆ホシっ子 折り返し!

「てか、平日なのに家にいていいの?」

「今、ゴールデンウイーク中だよ。」

「いつまで?」

「あと3日しかないんだよ。そんなときお前が来たんだよ。」

「残り3日遊び尽くそうー!」

「そうしたいけど、宿題があるんだよ。」

「学生なの?」

「今頃かよ、前情報ほんとに何もないんだな。」

「てことは、おっさんではないと。」

「違ぇよ!」

「ほうほう。」

「『ほうほう』じゃねぇよ! 何に納得したんだよ!」

「幼稚園生?」

「馬鹿なのか! 見てわからない?! 高校生だよ! そんで、幼稚園は“生”じゃなくて“児”だよ!」

「あ、母音の時はそうだったね。」

「その“ジ”じゃねぇよ! 英語の方じゃなくて、あの、えー、もう説明がめんどくせぇよ!」

「さっきから、“せい”とか“ぼいん”とか、も~、ゆっちゃんったら~!」

「何顔赤らめてんだよ! 殺すぞ! 中学生の男子か! んで、母音はてめぇが言ったんだろ!」

「ドピュっとか。」

「それも、お前だよ。」

「大きくなったり。」

「それは、お前じゃねぇよ! この流れでその文言はまずいよ。」

「これは、ゆっちゃんのこと

「じゃねぇよ! どこにも連れて行かんぞ!」

「あー! ごめんごめん! もう、言わないから!」

「はいはい。」

「お願いっ!」

「はぁ、わかった、許すよ。」

「やった~! もう、お触りしかしない!」

「んなことすな! ゎあ! 近づいてくんな!」

「お触りさせてよ!」

「言い方がやだよ!」

「お願いっ!」

「もう、効かねぇよ!」

「え~、痴漢できないじゃん!」

「するなよ!」

「さわさわさせてよぉ~!」

「やだよ!」

「じゃ、抱き着くだけ!」

「なぜ、意地でも触ろうとする!」

「だって……」

「……。」

「暇なんだもん!」

「それだけかよ!」

「はい、ダンダカダンダンダーン!」

「なんだ、その決めフレーズ?!」

「同時にやらなきゃ!」

「じゃあ、あたしにも教えとけ!」

「ほら、『笑いが六分咲きー!』とかも合うから面白いんじゃん?」

「いや、もっとあったろ?! たしかに、あの人らも面白いし一世を風靡したけど! 今じゃないだろ!」

「ま、『笑いが六分咲きー!』は片っぽしか言わないんだけどね。」

「そういや、そうだったー! って、なんだよこれ。」

「あの人たちは『おかしな話』の方は同時だからね。」

「いいよ、もう! お前の愛は一杯感じたよ。」

「私は、ゆっちゃんからの愛も一杯感じております。おあとがよろしいようで。」

「待て、どこ行く! なんもよろしないわ!」

「あ、関西弁。」

「で、どこ行くん?」

「ん~、迷うなぁ。」

「町内地図見て何言ってんだ。」

「じゃ、ここ!」

「そこ、お隣さんだよ!」

「インターホン押してくるね!」

「待て待て!」

「押してすぐ戻るから!」

「ピンポンダッシュをするな!」

「ぱにぽ

「言わせねぇよ! 確かに語感は似てるけど!」

「あのアニメ面白かったよね?」

「確かに面白かったけど!」

「てことで、ウサギ飼おっ!」

「んな理由で飼うか!」

「なんだかんだ、乙女と鈴音コンビ好き。」

「わかる……。」

「あと、オオサンショウウオ。」

「わかる……けど! もういいだろ! お前の愛は一杯感じたよ!」

「私は、ゆっちゃんからの愛も一杯感じております。おあとがよろしいようで。」

「だから、どこに行く! なんだ、これやる前振りか?!」

「そんなこともわかんなかったの、馬鹿だなぁ!」

「それ、鏡だよ!」

「この二つ、私の持ちネタね。商標登録もしたから。」

「持ちネタ売ろうとするなよ!」

「らっしゃい、らっしゃい! 今日は活きの良いの入ってるよ!」

「なんだ、活きの良いネタって!」

「……合ってるくない?」

「いや、“ネタ”違いだよ!」

「今日は『それ、鏡だよ!』がセール中だよ!」

「売るな! それは、あたしのだ! あと、セールされるのはなんかやだよ!」

「売れ残るんだかしょうがないよ。」

「なんか不本意だよ!」

「さ、どこ行くか早く決めなきゃ日が暮れちゃうよ。」

「日が昇ってまだ数時間だよ。」


―起きました―


「どこ行く?」

「いや、あたしに聞かれても。」

「だって、2人が楽しいとこがいいし。」

「なんだ、お前はあたしに意識させたいのか?」

「可愛い~!」

「それ、鏡だよ!」

「あ、それ、さっき配布しちゃったから禁句だよ。」

「おい! セールが遂に無料配布になってるやん!」

「あ、関西弁。」

「それを売れ! その、『あ、関西弁。』って絶対いらないから!」

「重版出来決定したよ。」

「めちゃくちゃ売れてるじゃねぇか!」

「で、『それ、鏡だよ!』は?」

「現品限りだったんだけどねぇ。」

「この差がわからない!」

「はぁ、話が進まない。」

「ほんとだよ! ミズが1本道曲がるからねぇ。」

「じゃ、無難に青春18きっぷでどこか行く?」

「無難なのかはわからんが、1日で行けるか?」

「泊まれば良くない?」

「1日で1人ずつ来るんじゃなかったっけ?」

「じゃ、1人前倒しで来てもらって一緒に行かない?」

「でも、3人で二日だと……。」

「その前倒しで来てくれた1人は片道だけになるね。」

「目的地に置いて帰るなよ!」

「ま、この毎日1人ずつホームステイの制度は、1日ぐらいは待ってくれるから。」

「いいのかよ! テキトーだなぁ。」

「さっきから、泊まる方向性だけど、ゆっちゃんはいいの?」

「ま、別にいいけど。」

「ほんとっ?! やったーっ! ありがと~!」

「……なんだ、この可愛いの。策略か?」

「お金はNA☆SAが出すから!」

「いや、待て! ただのプライベートに大企業からの支援は受け取れねぇよ! 確かに、金銭面は『おっと。』って思ったけど、あたしが出すよ!」

「大丈夫?」

「なんか腹立つなぁ。10000円ちょっとだろ? バイト1日ちょっとだよ。いけるいける!」

「でも、宿泊費とか……。」

「……頑張るよ。はぁ、頑張る。」

「……やっぱ、いいや! 家で何かしよっ! さ、何する?! 私は、いてっ! ちょ、デコピン?!」

「余計な気を遣うな。いけるよ、任せろ!」

「ゆっちゃん……。」

「って、ベタなことやらすなよ!」

「あ、バレた?」

「だいぶ前から、これはもしやと思ってたよ!」

「でも、ホントに大丈夫なの?」

「任せろ! てか、あたしが払わないと、NA☆SAが払わなくちゃいけなくなるんだから意地でも払うよ。」

「この恩は絶対忘れないから! えっと、あの恩のこと、あのぉ……あれ。」

「もう忘れてんじゃねぇか!」

「あれよ! あのぉ……。」

「……。」

「そう、それ!」

「何も言ってねぇよ!」

「布団だけに、吹っ飛びました。おあとがよろしいようで。」

「待て待て待て! いつ布団出てきた?! 吹っ飛んだのはてめぇの記憶だろ!」

「お、上手い! おあとがよろしいようで。」

「礼をするな!」




―ふぁぁあ! あー、暇―


「もう始まってるよ!」


―おっと、時間か―


「前回、あんた寝てたろ!」


―いえいえ、そんな! もう……ありがとうございますぅ―


「褒めてないから! なに、謙遜してんだよ!」


―サラダ!―


「は?」


―あ、間違えた、さらば!―


「間違えるか!」

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