第2話

私はかなり怒っている。理由は明白だ。

一言で簡潔に理由を述べると、騙されたのである。

私は先月退職届を出した。

大手の会社であれば、就職活動中にウソをプレゼンすると思わず、入社してしまったのが間違いであった。

退職は1ヶ月前に出せば良いので、私は9月半ばに辞める予定であった。

しかし、それではあまりにもシフトの都合で迷惑がかかると考えて、1つ条件をだし、それが守られるなら月末まで働くと話をしたのである。

退職届を出された側は、色々と言ってきたが、私が辞める意思が明白であるとわかると途端に適当な態度を取り始めた。

そして、条件を飲むので月末まで働くようにと伝えられた。

この時点で私は気付くべきであった。彼に守る気などサラサラないことを。

仮シフト時点までは、私の条件は飲まれていた。しかし、確定版シフトが月終わり最終日に出た時私は戦慄した。


全くもって、条件が守られてなかったのである。

そんな事があるのか…と絶望した私は、このシフトが訂正できない時期に、このような暴挙に出た彼のズル賢さをハッキリと認識した。

このひと月、退職したい理由No. 1をただただこなし続ける事が決まったのである。


社会に出たら、自分の思い通りになることは無いと言うのが普通である日本だというのは認識していた。

しかし、実際にぶち当たるとあぁ、病むというのは簡単なことであるなぁと感じざる終えない。

私はこのひと月、この苦境を乗り越えねばならないのである。

先月よりも、酷く悪化した、シフトを前に震えながら毎日を過ごす。

さて、何処まで持つだろうか?


とりあえず、彼に電話をかけるところから始めようと思う。

来て欲しくなかった月曜日、月の始めが今から始まる。


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