急変

 3人が病室に向かうと、なにやら騒がしくなっている。


「血圧急激に低下!」

「昇圧剤は!」

「今すぐに!」


 モモが病室を覗くと、タックを中心とした医療団が安永の緊急治療を行っていた。


「心拍数ゼロ!」

「電気ショック用意して!」

「はい!」


 電気ショックの機械が病室へ運びこまれると、タックが安永の胸に電極を当てた。


「3、2、1、はい!」


 安永の心臓に電流が流れる。しかし、心電図は波を打たない。


「もう1回!3、2、1、はい!」


 安永の心臓に再び電流が流れる。しかし、安永は何の反応も見せない。

 その後、何度か電気ショックを試みるが、安永は動かないままだった。

 そして、タックが脈や呼吸、瞳孔などを確認しつぶやいた。


「午前11時15分、心肺停止。ご臨終です」

「イヤー!」


 菊ちゃんの叫びが病室中に響いた。

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