思い出

 モモはルギーの車に乗り、家路に着いた。


 モモは自分の部屋に戻ると、おもむろにアルバムを開いた。まず目にしたのは大勢直立不動で映っている写真だ。


「始業式の写真だ。みんな緊張してるな。ヤスケンとは結構離れているな……。あ、なんでリーダーが隣?ぷははは」


 次に目にしたのは、サッカーのユニフォームを着た男の背中の写真。


「インターハイ予選の写真だ。恥ずかしくてヤスケンの後ろ姿をしか撮れなかったな。

 得点を決めた時はかっこよかったけど、あのPKは残念だったな」


 次の写真は、運動着を着たクラスメートたちと写っている。


「球技大会のときだ。何気に隣同士、ふふふ……」


 次の写真は玄関での集合写真。ルギーやロビンソン、なっちゃん先輩も写っている。


「合宿の写真だ。練習は大変だったけど、いろんな事件があって面白かったな。

 あ、ロビンソンだ。もうこの人が来るといつも何かが起こるから。で、ヤスケンがいつも被害者」


 続いては、楽器を持っている集合写真。安永は旗を持っている。


「文化祭の写真だ。緊張したな……。でも、うまくいってよかった。

 なっちゃん先輩が大泣きしちゃって、もらい泣きしちゃったよ。

 マーチングバンドのおかげかな、ヤスケンとの距離が近くなったのも」


 次にモモが見つけたのは、シェフの格好をしたモモと安永、そしてひなた寿司の洋ちゃん。


「クリスマスの時のだ。大変だったな。それなのに全然食べられなかったし。

 でも、そのあと……むふふ……。あの時のあたし、大胆だったな」


 そして、モモと安永のツーショット写真。


「ビレバンでなっちゃん先輩に撮ってもらった写真だ。かわいいな、ヤスケンの照れてる顔」


 モモは写真をみているうちに、涙が流れてきた。


「ひっく……ヤスケン……ヤスケン……。うえーん……」

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