ペットショップにて

 10:00。モモはミッフィーを抱え、駅前にあるペットショップ「カプリコ」に現れた。

 ドアを開け、店に入るモモ。


「いらっしゃいませ。あ、モモちゃん久し振り」

「お久しぶり、カズ兄ちゃん」


 モモたちを迎えたのは、ペットショップを営むモモのいとこ和彦だった。


「で、今日はどうして来たの、モモちゃん」

「うん、この子の元気がなくて」


 ミッフィーを和彦にみせるモモ。


「何、これ?」

「うちのペット。ミッフィーっていうの。今朝から全然動かなくて」

「うーん、こんな動物見たことないし。運動不足かな?モモちゃん、最近散歩に連れて行ってる?」

「あ、そういえば最近散歩に行ってない……」

「そうなら、やっぱり運動不足だよ」

「そっか、散歩に連れて行かなきゃ」

「そうだ、これ出てみない?」


 和彦がモモにあるビラを見せる。


「ペット自慢大会?」

「そう、来週噴水公園でペット自慢大会があるんだ。散歩ついでに出てみれば?」

「そうだね、散歩ついでに出てみようっと。いいね、ミッフィー」


 ミッフィーはモモに応えるように小刻みに震えた。


「ちなみに僕、審査員やるから」

「え、採点厳しそう……」

「優勝賞品はバナナ1年分らしいよ」

「本当?バナナ?よし、優勝狙うよ、ミッフィー!」

「急に燃えてきたね、モモちゃん」

「バナナのためだもん!がんばるよ、カズ兄ちゃん!」


 意気揚揚と店を出るモモ。

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