モモ太った?

 釜揚高校の校庭にはモモたちマーチングバンドのメンバーが集まっていた。

 モモが呆けていると誰かが声をかけてきた。


「おはよう、モモッチ」

「おはよう、ヤスケン」


 モモに声をかけたのは安永拳だった。


「今日こそ俺たちの出番がほしいな」

「先週は出番なく練習終わっちゃったしね。本番まであと1カ月だし、一通り合わせていかないとね」

「よし、頑張るぞ!」


 気合いを入れる安永。


「それよりもモモッチ」

「なに、ヤスケン?」

「太った?」

「え?」

「いや、ちょっと顔がふっくらしてきたかなって思って。食欲の秋だから仕方ないか」

「女の子にそんなこと聞くなんて失礼よ、ふん!」


 モモは振り返って木琴に向かって走り去った。

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