紅葉狩りの準備

 日曜日9:00。駅にはモモ、安永、なっちゃん先輩など数人が集まっていた。

 モモのバッグにあるものを見つけたなっちゃん先輩。


「モモ、それってもしかしてフランスパン?」

「そうですけど。やっぱりピクニックにはフランスパンじゃないですか」

「でも、それバケット1本まるごとじゃない?もしかしてみんなで分けるの?」

「なに言ってるんですか、先輩。これわたし一人で食べるつもりですけど」

「え……。あんた、すごすぎる」

「それにしても、ルギーさん遅いな」


 安永が心配する。


「そうね、普段は遅刻しない人なんだけど。あ、来た……って、えっ?」


 遅れてやってきたルギーはまるで本格的な登山に出かけるかのように、

 大きなリュックを背負い、登山ブーツをはいていた。


「ルギーさん、なんなのその格好」

「紅葉狩りといえど、山は山。山を甘く見てはだめだぞ。

 これくらいの準備をしないと備えあれば憂いなしだ」

「でも、今日はハイキングコースだし……」


 ルギーの格好に唖然とする一同。


 30分ほど電車に乗り、山についた一行。

 しかし、目の前の光景は緑に映える山の姿であった。


「やっぱり、少し早かったのかな?」


 不安になる一同。


「いや、大丈夫だ。奥に進めば、絶景が見れるはず。ヒアウィーゴー!」


 気合十分のルギーを先頭にハイキングコースに向かう一同。

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