障害物競走

 グランドには大きな網、平均台、タイヤ、そして箱が用意されている。


「次の競技は障害物競争予選です。選手は入場してください。

 この障害物競争はタイムレースで行われます。上位5人が決勝進出です」


 次々とスタートしていく選手たち。

 網をくぐり、平均台を渡り、タイヤを転がし、

 小麦粉をまぶした箱のなかにある飴玉をさがし、走っていく選手たち。

 ゴールしていく選手たちは皆白くなっていた。

 そして決勝進出者が決まった。


「決勝進出者が決定しました。一人ずつ紹介しましょう。

 まずは陸上部のエース、井田選手。

 二人目はバスケ部の高井選手。

 三人目はサッカー部の安永選手。

 四人目は女子です、合気道部の藤選手。

 そして、最後はわが校の英雄、城ヶ崎選手です。

 以上5名と鈴井校長の計6人で障害物競争決勝を行います。

 決勝はスペシャルコースになっておりますので、皆さん熱い声援をお願いします」


 入場門に集まる障害物競争決勝進出者たち。


「緊張するな……」

「ヤスケン、そんな緊張することないよ。お祭りなんだしさ」

「決勝って聞くとなんかピリピリしちゃうんだよ、リーダー」

「ま、がんばろうぜ」

「ああ」


 握手を交わす安永としげる。そこへ藤がやってきた。


「ジャック、今回のミッションはてこずりそうね」

「藤さん、ジャックって……この前のネタひきずってるの?」

「藤さんじゃないわよ、エージェント・フジでしょ。

 こういうのは雰囲気が大事なんだから」

「はいはい」


 少しあきれるしげる。

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