マイコのライブ
7月4日16:00。釜揚文化会館の門の前には吹奏楽部の指揮者玉木浩が一人立っていた。玉木は誰かを待っているようだ。そこへ一人の女子高生らしき人物が現れた。三日月モモだ。
「やあ、木琴」
手を上げ挨拶する玉木。
「あれ、玉木なんでいるの?」
「って、そっちこそなんでいるんだよ?」
「あたしは知り合いと今日のマイコのライブに来たんだけど。もしかして、玉木もマイコのファン?」
「いや……俺は別にそうでもないんだけど……ただ……」
しどろもどろになる玉木。
「じゃ、なに?男ならはっきりしなさいよ!」
モモが玉木をしかる。そのとき、
「モモちゃん、おまたせ!」
「けいちゃん、こんにちは」
現れたのはモモなじみの美容師、けいちゃんこと三橋恵だ。
「テストも終わったし、今日のライブ本当に楽しみにしてたんだ。ありがとう、けいちゃん」
「どうもいたしまして。そんなに喜ばれると、チケットとった甲斐があるわ。で、そちらの男の子は?」
「ああ、部活で一緒の玉木」
「どうも」
そっけない挨拶をする玉木。すると、
「ヒロくん、ごめん遅れちゃった!待った?」
「あ、いえ……そんなには」
玉木の前に現れた女性の姿にモモは驚いた。
「アキト先生……」
「あ、三日月、やばい。ヒロくん早くいこっ」
城ヶ崎アキトは急いで玉木の手をひっぱり、ライブ会場に入っていった。
「ふふん、あの二人がね……」
不敵な笑みを浮かべるモモ。
「モモちゃん、もうライブ始まっちゃうよ。早く中に入ろう!」
「はい、行きましょう!」
モモとけいちゃんもライブ会場に入っていった。
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