マグロカツサンドふたたび

 12:00。一台のバンが釜揚高校に着いた。降りてきたのは「ロビンソン亭」の看板娘のりさん。今日は月に一度のマグロカツサンドの特売日だ。


「いらっしゃい、いらっしゃい。今日はインターハイ特別価格、いつもより2割引だよ」


 のりさんの威勢のいい掛け声とともに生徒たちが集まる。そこへしげるが現れた。


「リーダー君、インターハイ出場おめでとう」

「ありがとうございます」

「港中大騒ぎだったよ。特にお父さんなんか『あいつが勝てたのは俺の塩辛巻きのおかげだ』なんて自慢してたんだから」

「そうなんですか?でも勝てたのは塩辛巻きのおかげじゃないような……」

「ふふふ。それはあたしもわかってるから。はい、マグロカツサンド。主役は今日はダタにしてあげる。お父さんもそうしろって言ってたから」

「ああ、そうですか。ありがとうございます。ありがたくいただきます」


 しげるはのりさんからマグロカツサンドを受け取ると、豪快にかぶりついた。


「今度の海神祭はゲストに呼ばれるらしいからね。がんばってよ、リーダー君」

「はい。……って、ええ?ゲストですか?!」


 しげるは思わぬ展開に思わず目を見開いた。

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