男達の友情

 19:00、練習を終えたしげるは体操部の仲間たちと帰路についていた。


「リーダー、もしかしてこの前のロビンソン亭でのできごと、気にしているのか」

「気にしていないって言ったら、ウソになるけど。はじめてだったんだよ、しかも江戸さんの前で、あんな酔っ払いのおばさんと。早く忘れたいんだよ。忘れたいから、体を動かしかないと思って」

「わかるよ、リーダー」

「わかるわけないだろ!お前、キスしたことあるのか?」

「あるよ、彼女と」

「えっ、彼女いたの、ぐっさん?」

「ああ、最近付き合いはじめたばかりだけど」

「そっか……」


 突然の友人のカミングアウトに驚くしげる。


「ま、とにかくインターハイも近いし、俺らもリーダーのように気合いれて練習しないとな」

「そうだな。みんなでインターハイ目指してがんばろうよ。な、リーダー」

「よし、めざせインターハイ!いくぞ、釜高体操部!」

「おお!」


 男たちは絆を深めた。

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