美容院でウキウキカット

 13:15。モモとミッフィーはなじみの美容院についた。


「こんにちは。けいちゃん、いますか?」

「あ、こんにちは、モモちゃん。お母さんから電話きたわよ。でも今お客さんのカットをしているからちょっと待って」

「はい、わかりました」


 モモが待合席に座ると、隣には美容院とは縁のなさそうな男が両腕に大きな荷物を抱えて座っていた。よく見ると体操部のキャプテン城ヶ崎しげる、通称「リーダー」だった。しげるはつまらなそうな顔をしている。


「なあ、アキトおばさん。俺先に帰ってもいいだろ?」

「ん?まだ買い物が残ってんだから、カット終わるまで待ちなさいよ!しかもね、『アキトおばさん』じゃなくて、『アキトお姉さん』でしょ。わたしはあなたのいとこだし、まだ二十代なんだから。おばさんなんて失礼だよ。わかった、しげる」

「もう、しかたねぇな……。はいはい、わかりましたよ『アキトお姉さん』」


 アキトの押しの一手に負けたしげるはうなだれた。その様子を見てたモモは、

『だらしがない男だね』としげるにあきれていた。

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