周りにチートしか居ないのは、何故ですか!?
月島 藍
第0話、プロローグ
草木も眠るとされる丑三つ時……ひっそりと静まり返る夜に、小さな影が一つ。
どこにでもあるような建物が並ぶ町……そこに一人の少女が歩いていた。
その少女の表情からは、幸福感や優越感に浸っているのがよくわかった。
時々、鼻歌を歌いながら、少女は歩いていく。
風一つ吹かない、静かな町にひたひたと少女の足音と、時折楽しそうな奇妙な何とも言えない様な鼻歌だけが響く。
少女は何を思ったのか、少女は数分歩き続けると何の変哲も無いとある建物の前で立ち止まる。
そして、片手を振り上げて何か、呪文のようなものを唱える。
するとざわざわと草木がざわめいた。
と、次の瞬間、ゴォー……と地響きのような音がしたかと思うと、その建物は炎に包まれた。
静かな闇に包まれた町は、一箇所、その建物だけは赤々とした炎に包まれ、燃えていた。
煙が一メートル先が見えるか、見えないかくらいの濃さだ。
この火の量だと、消火活動も一筋縄では行かないだろう。
近くの家に火が移るのも時間の問題だ。
建物に火を付けた張本人であろう少女は、それをただただ薄っすらと、狂気の混じった笑みを浮かべて微笑み、じっと見つめていた。
ただただ、燃える建物を見つめながら、時折、クスクスと楽し気な笑い声を響かせながら。
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