暗闇の海
サタナエル
全ては此処から…
私が15歳の時だった話をしよう。
私の名前は石黒サエコという。
私の友人に未来という可愛い女の子がいる。
彼女には健斗とう恋人がいる。
ある夏の日の出来事…。
「健斗がさぁ、海で溺れそうになったんだよ」
未来は心配そうに私に言った。
「未来も心配しすぎでしょ」
「サエコ、なんか最近…太った?」
アイスクリームの食べ過ぎかもしれない。
私はそう思って未来に笑いかけた。
私は図書館へと足を運んだ。
健斗は昔から本が大好きだ。
古今東西の文豪の作品ばかり読んでる。
ダンテ、シェイクスピア、ゲーテ、夏目漱石、太宰治、坂口安吾などなど。
私はあまり本を読まないので健斗から馬鹿にされる。
図書館の机に健斗が突っ伏して寝てる。
「健斗。けんとー」
私が呼ぶと健斗はようやく起きた。
「ああ、未来か。俺、眠いんだけど…」
健斗の不機嫌な顔も可愛い。
「健斗ってさぁ、ずっと本ばっか読んでるよね」
「別に好きで読んでるわけじゃねーし」
健斗は不機嫌な表情も可愛いのだ。
健斗が溺れ死ぬ…。
それは決してあってはならない事だ。
健斗は夜の海を1人で泳いでいた。
健斗を早く助けなきゃ…。
私はサンダルを脱ぎ捨てて裸足になる。
足の裏から伝わる砂の感触が気持ち悪かった。
でもいまはそんなことどうでもいい。
私は素早く海に潜り、溺れている健斗を担ぎ上げる。
人工呼吸をするとよくやく健斗は目を覚ました。
「みらい…?未来なのか?」
「健斗、健斗…。生きててよかった」
私の目に涙が溢れる。
「未来、俺生きててよかった。未来、ごめんな…」
「いいよ。健斗が生きててよかった」
健斗は笑いながら私に言った。
「俺、高校卒業したら未来と結婚しようかな」
「なんか早くない…?」
「別に早いほうがいいだろ?未来もそう思うか?」
「うーん。そうかも」
私達はこれからもずっと一緒だ。
2人は永遠に一緒である。
fin
暗闇の海 サタナエル @onore300
★で称える
この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。
カクヨムを、もっと楽しもう
カクヨムにユーザー登録すると、この小説を他の読者へ★やレビューでおすすめできます。気になる小説や作者の更新チェックに便利なフォロー機能もお試しください。
新規ユーザー登録(無料)簡単に登録できます
この小説のタグ
関連小説
読書目録ズ/サタナエル
★3 エッセイ・ノンフィクション 連載中 4話
日々読書/サタナエル
★3 エッセイ・ノンフィクション 連載中 35話
読書目録/サタナエル
★3 エッセイ・ノンフィクション 連載中 2話
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます