第3話
「奈江は今、朝練で疲れている」
「朝練だって?」
「そう。朝から練習するから、朝練だ」
いつもより、早く家を出なくてはならない。そうなれば、必然的に奈江が食卓に居られる時間は減る。ついうっかり寝坊でもしたら、朝食を掻っ込めるだけ掻っ込んで、口より大きな食パンはくわえたままになるかもしれない。
「1.44%。かなりに高い数値だ!」
「いや、俺の試算では、5%を超える!」
彰はしたり顔で続けた。
「朝練で疲れている以上、寝坊する可能性は跳ね上がっている!」
「ああっ!」
目から鱗だった。『秋の食パンまつり』たす『朝練』は『寝坊して朝食を掻っ込めるだけ掻っ込んで、口より大きな食パンはくわえたまま家を出る』。そして、『与式』イコール『俺が、食パンをくわえた美少女と出会い頭にぶつかる』となる。その確率は5.76%。高い!
「俺、早速明日にでも試してみるよ!」
俺の心は踊った。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます