第29話【怖い話】怪しいバイト(´・ω・`) 「怪しいバイトには、裏がある」

彡(゚)(゚)「原ちゃん、春休み中やしワイと一緒にバイトいかへん?」


(´・ω・`) 「バイトってどんな?」


彡(^)(^)「空き家の片づけやで。軽い引っ越しみたいなもんや」


彡(^)(^)「一軒家なんやけど、2泊3日。交通費も出る」


彡(^)(^)「電気、ガス、水道も通ってて布団付き。普通に泊まれるそうやで」


(´・ω・`) 「うーん、重い家具とか運ぶんでしょ。きつそうだなぁ」


彡(^)(^)「バイト代はひとり3万円や! こんなバイト滅多に見つからんで」


(´・ω・`) 「えっ3万円も!?」


(´・ω・`) 「……やきうくん、そのバイトどこで知ったの?」


彡(゚)(゚)「ああ、昨日パチンコ屋にいってな。そこに、いっつもおる常連のおっさんからや」


(´・ω・`) 「パチンコのおっさん……(思い切り怪しいけど、3万円はいいね。PCの部品が買える!)」


(´・ω・`) 「やるよ」


彡(^)(^)「よっしゃ、決まりや! それじゃ、早速おっさんに伝えてくるわ」スタスタ






彡()()「ファーッ! 広い敷地やなー、学校の体育館くらいあるんやないか?」


(´・ω・`) 「立派な家だけど、生活感が全然ないね。何年も人が住んでないよここは」


彡(゚)(゚)「草、草、草だらけやで」ガサガサ


(´・ω・`) 「池があるけど、変な色になって濁ってる。変なにおいがするよ」ガサガサ


彡(゚)(゚)「入るで、おじゃましまーすっと」カチャ


(´・ω・`) 「湿気? カビ臭い」


彡(゚)(゚)「空き家なんてこんなもんやろ。とりあえず今日は、2階から片づけしよか」


(´・ω・`) 「うん、そうしよう」






バタバタ


彡(゚)(゚)「よいしょ」


(´・ω・`) 「こらしょ」


彡(-)(-)「はー、今日はこんなもんやろ。そろそろ飯いこか」


(´・ω・`) 「ふう、そうだね」






彡(^)(^)「ふー、くったくった!」ガチャ


彡(゚)(゚)「……」ピタッ


(´・ω・`) 「ん、どうしたの?」





ぞわー





彡(゚)(゚)「……」


(´・ω・`) 「……」


彡(゚)(゚)「ワイ、先に風呂入るわ(なんや今のは?)」


(´・ω・`) 「う、うん(寒気がした、なんだろ)」






「原ちゃん、原ちゃん」


(´-ω・`) 「ん? やきうくん、なに(まだ夜中じゃないか、こんな時間に起こして!)」


彡(゚)(゚)「……」





ぼそ ぼそ





(´・ω・`) (人の声、かな?)


彡(゚)(゚)「聞こえるやろ? 誰かくるなんて、きいとらんで。泥棒やろか?」


(´・ω・`) 「泥棒……」ゴクリ


彡(゚)(゚)「と、とにかく行ってみよか」ソロソロ


(´・ω・`) 「うん、一番奥の部屋から聞こえるみたい」ソロソロ





ぼそ ぼそ  ぼそ ぼそ





彡(゚)(゚)「この部屋やな」


(´・ω・`) 「もし、もーし」


ぼそぼそ


彡(゚)(゚)「返事ないな……あっ!」ガシッ


(´゜ω゜`) 「えっ、どうしたのやきうくん?」


彡(゚)(゚)「こっちや!」






(´・ω・`) 「やきうくん、どうしたのいきなり?」


彡(-)(-)「原ちゃん……」


彡(゚)(゚)「あの部屋おかしいわ、ドアが開かんように板でふさいであった」


(´・ω・`) 「えっ、それじゃ部屋の中には……(暗くてよく見えなかったけど)」


彡(゚)(゚)「……」


(´・ω・`) 「……あっ、じゃあ外から入れるんだよ。いってみよう」


彡(゚)(゚)「うん、懐中電灯もってくるわ」






彡(-)(-)「こっちも草だらけやな」ガサガサ


(´・ω・`) 「うん……あれっ、窓しかないよ」ガサガサ


彡(゚)(゚)「こっちも板でふさいであるな」


(´・ω・`) 「じゃあ、あの声は……」


彡(゚)(゚)「うん? 板の間にすき間があるで」ソー


(´・ω・`) 「なにか見える?」


彡(゚)(゚)「和室みたいや……」


(´・ω・`) 「やっぱり、中には誰もいないね」


彡()()「なんやあの箱! 鎖でぐるぐる巻きやで」


(´・ω・`) 「……なんか気味悪いねーー」





バンッ!





彡()()「ひっ」


(´゜ω゜`) 「うわあーーーーっ」ダダダッ






彡()()「げ、原ちゃん見た?」ゼエ


(´゜ω゜`)「め……眼が、いくつもあった」ハア






*






彡(-)(-)「ひどい目にあったもんやで、バイト代は1日分もなかったしな」


(´・ω・`) 「バイトは途中で中止しちゃったからね」


彡(-)(-)「あんな、わけわからんもんがおる家なんて、近寄りたくないわ」


彡(゚)(゚)「あのおっさん、絶対なにか隠しとるで」


(´・ω・`) 「やきうくん、あの家のこと調べてみたんだけど」


彡(゚)(゚)「うん」


(´・ω・`) 「『1966年時効取得』だって。法務局に記録があったよ」


彡(゚)(゚)「時効……なに?」


(´・ω・`) 「時効取得。他人の土地を一定期間占有したら、所有権を取得できること」


(´・ω・`) 「簡単にいうと、他人のものを長い間持っていれば、自分のものにできるっていうことだよ」


彡(゚)(゚)「はえー。えっ、ということはあの家……」


(´・ω・`) 「怪しいバイトには、裏があるってことだよ」






【怖い話】怪しいバイト(´・ω・`) 「怪しいバイトには、裏がある」 完

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