第5話彡(゚)(゚)「100階にある部屋に泊まれるやで! 」

――1999年 大晦日のシンガポール――



(´・ω・`) 「さすが赤道直下のシンガポールだね。冬なのに半袖でいいなんて」テクテク


彡(^)(^)「そうやな! さっきのレストランはエアコン効きすぎて凍えるところやったけど」テクテク


(´・ω・`) 「シンガポールっていうのは、ライオンの町っていう意味なんだって」


彡(゚)(゚)「そうなんか? そういえば、吐いてるライオン像があったな」


(´・ω・`) 「吐いてる? まあそうなんだけど、それにしても高いビルだよね」


彡(゚)(゚)「ここからでもよく見えるやで」


(´・ω・`) 「ねえ、さっき店員にあのビル何階建てなのって聞いたんだ、100階建てなんだって」


彡(゚)(゚)「はぇー、100階もあるんかいな」


(´・ω・`) 「うーん……そんなにあるのかな?」


友人A「おーい! 2人ともはやくこいよー」


彡(゚)(゚)「おっと、もうあんなとこにおるやないか」ダダッ


(´・ω・`) 「まってよー」スタタタ




―100階建のビル前―




彡(゚)(゚)「おー」


(´・ω・`) 「おおー」


彡(゚)(゚)「アイタタ……見上げてると、首が痛なるで」


友人A「俺たち運がいいぜ! 最上階が空いてたから泊まれるってよ」


彡(^)(^)「最上階? やったで!」


(´^ω^`)「きっと日頃のおこないがいいからだね」




―最上階の部屋―




彡(^)(^)「うおー! 凄い景色やで!」


(´^ω^`)「車があんなにちっちゃいよー!」


友人A「わー、たっけー! みんなこの部屋より低いぜ!」




彡(゚)(゚)「飽きた」


(´・ω・`) 「飽きた」


友人A「景色も見たし、街をまわろうぜ」




―フロント―




友人A「えっ……はいわかりました」


彡(゚)(゚)「ん、どうしたんや」スタスタ


(´・ω・`)「ああ、夜12時までに帰ってこないと電気を消されるんだって、フロントの人が」


彡(゚)(゚)「電気の節約かいな、せこいホテルやなー」


(´・ω・`)「そうじゃなくて、2000年問題が起こるかもしれないからだよ」


彡(゚)(゚)「あー、最近テレビで騒いどるやつか」


友人A「まあ、12時までに帰ってくれば問題ないって」


(´・ω・`)「そうだね」スタスタ


彡(゚)(゚)「2000年問題、1999年から2000年に切り替わるときに起こる」


彡(-)(-)「99から00にかわるとコンピューターが勘違いして様々なトラブルが起きる」


彡(゚)(゚)「ワイは個人的になんやけど、なんも起きんと思うやで……って」


彡(^)(^)「おーい、待ってやー」タタッ




――深夜――




彡()()「今何時や!」


(´゜ω゜`)「もう12時過ぎてるよ!」


友人A「なんだってー!」


彡()()「急いで帰るで」




――100階建のビル――




(´゜ω゜`)「真っ暗だよ」


彡(-)(-)「エアコンも止まっとる……うう寒気が」ブルブル


友人A「夜は冷えるな、フロントじゃ寝られない」


彡(゚)(゚)「ってことはエレベーターもダメなんか」ポチポチポチポチ バンバンバン


シーン


(´゜ω゜`)「階段を使うしかないよ」


友人A「仕方ない、まあ大丈夫だろ」


彡(^)(^)「せやな! ワイらまだ若いんや、へーきへーき」


(´・ω・`) 「そうだよね」


友人A「よし! 走って一気にいくか!」




―10階―




彡(^)(^)「楽勝やで……ふぅっ……これくらいっ」タッタッ


(´^ω^`) 「まだ余裕……だよ」タッタッ


友人A「誰が一番に着くか競争……しようぜ」タッタッ


彡(^)(^)「ええでっ」タッタッ


(´^ω^`) 「うん……いいよー……」タッタッ




―30階―




彡(゚)(゚)「ふっ……」タッ


(´・ω・`)「よっ……」タッ


友人A「ほっ……」タッ




―40階―




彡()()「ハア……」スタ


(´゜ω゜`) 「ハア……」スタ


友人A「ハア……」スタ




―50階―




彡()()「ゼェー……ハァー……うっ……」ガクッ


(´゜ω゜`) 「ゼェ……うエ……」


友人A「ううっ……ハァ……」


彡()()「なんで大晦日……こんな目に……ワイはここまでや」


(´゜ω゜`) 「これは……まずいよ」


友人A「……」


彡()()「はあー」


(´゜ω゜`) 「脚の感覚がおかしくなってる」ガクガク


友人A「このままいくと100階までもたない……ひとつ提案があるんだが」


彡(゚)(゚)「提案? なんや」


友人A「気を紛らわせるために怖い話をしないか?一階上がるたびに、交代で怖い話をしていくんだ」


(´・ω・`) 「いいね」


彡(゚)(゚)「面白そうやな」


友人A「じゃ決まりだな……まずは俺から」




ー99階―




彡()()「ハァアア……オエエッ……あと一階やで」


(´゜ω゜`)「フフッ……うくっ……ゼエゼエ」


友人A「ゼエハア……ラストは俺か……」


友人A「ふたりとも、俺が今からする話は……本当に怖い。何が起こっても自己責任で聞いてくれよ」


彡(゚)(゚)「……ええで」


(´・ω・`) 「……うん」


友人A「よーし……さっき立ち寄った最後の店……」


彡(゚)(゚)「なんや、なんか見たんか。まさか幽霊」


(´・ω・`) 「えっ……食べたものに問題あるの?」




友人A「あそこに……鍵を忘れた……」




彡(゚)(゚)「100階にある部屋に泊まれるやで! 」 完












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