怪物に依存する僕等

房成 あやめ

プロローグ

 ミンミンミンミン ジジジジッジッジ・・・・

「由弦!今度、どっか行こうよ!」

元気溌剌とした声が響く。

「いいよ。香澄は、どこ行きたい?」

「由弦のいるところなら、どこでも!私は、ついて行くもん。」

ドックン 心臓が高鳴る。


 この頃の僕等は、まだ可愛かった。嘘をつくこともなければ、隠さないといけないこともなかった。本当に、何もかもがうまくいっていた。なのに・・・何でこんなことになったのだろう。

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