鬼灯姫

たいやき

鬼灯姫

ある盆の暮れ。


一人の少女が生まれた。頬がまるで鬼灯の様に可愛らしかったので、その少女はホオズキと名付けられた。


ホオズキはみるみるうちに成長し、その美しさは地元でも有名になっていた。


様々な男に告白を迫られたが、ことごとく断った。


ホオズキは周りには一切流されない強い女だった。


周りの女は勿論ホオズキを妬んだりもしたが、彼女は一切気にしなかった。


ホオズキはスカウトを受け、女優になった。その美しさは他のどの女優よりも優れていた。


どんなに時が経とうとも、ホオズキの美しさは衰えなかった。


しかし、ホオズキは女優を辞め政治家になった。誰もが彼女に憧れていたが、誰も彼女の頭の中を理解出来なかった。


その美しさも相まってホオズキは見る見るうちにのし上がって行った。誰もが彼女の言うことを聞いた。


やがてホオズキは、内閣総理大臣になった。彼女はスピーチも上手かった。国民全員を虜にした。


国民全員がホオズキの言うことを聞いた。誰も彼女に盾つかなかった。どんな政策でも彼女が提案したものは必ず実現した。


彼女は、人生の絶頂にいた。





ある日突然、ホオズキは全国放送で国民全員にある頼み事をした。


「自ら命を絶って欲しい。」


そしてその場でホオズキは毒を飲んで自害した。


国民全員が驚愕したが、国民全員がホオズキと共に自ら命を絶った。


ある盆の暮れに、国が一つ鬼灯ホオズキに導かれあの世に旅立った。


ホオズキは救われただろうか。








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鬼灯姫 たいやき @taiyaki05

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