番外編-09 いろんなかたち。



 私、美優はその後亜美さんと会いお話をしました。


 私は新見くんのように圭佑くんを知る、触れるに関して全くできませんでした。遠くから見てるだけ、蒼汰くんから話を聞くだけ……その程度。

 だから亜美さんと圭佑くんの関係もちらっと聞くだけで特になにもしていませんでした。


 その程度だった私に、長い間圭佑くんの側に居続けている亜美さんが謝る必要なんて全く無いのに必要以上に謝ってこられて……私の方が困惑してしまうくらいに。

 そんな亜美さんを見てしまうと幸せを掴んでもまだまだ大変なんだって思えてしまい、私は亜美さんに一言「ふたり幸せになってくださいね」と告げたのでした。


 自分でも驚くくらい素直に……偽りのない言葉で。





 この短い期間に恋愛にはいろんな形があるんだなと知ることとなりました。

 圭佑くんと亜美さんの自然な形。思い合っていても困難がまだまだあるだろう蒼汰くんと姉さん、そして千夏先輩の3人。片思いでも諦めない新見くん。そして……片思いで諦めた私。

 

 それを考えると私だけ諦めてしまったんですよねと。そう思うとなんだか悔しくなってしまいました。

 そんな思いを我慢できなかったのか思わず


「今度出会う愛する人は絶対諦めませんから」


 なんて呟いてしまいました。


 さてと、亜美さんと会えたこと結構大きかったようで踏ん切りがついたというか…私の中で節目になった気がします。


 そう、いつもくよくよしてられません。


 姉さんたちも見守ってくれているのです。


 新見くんのように諦めることのできない愛する人と出会って、姉さん達のように困難があろうと立ち向かえるそんな関係を作れたらいいなと思うのでした。まあ、姉さん達のような3人という関係はいりませんが。


 辛いからしばらくはいらない?


 いえ出逢えばきっとそんなことを考える余裕なんてきっとないですから……

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

美人な先輩から期間限定で恋人になってほしいと告白されたけれど。お断りさせていただきます。 ここです。 @kokotangpu

★で称える

この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。

カクヨムを、もっと楽しもう

この小説のおすすめレビューを見る

この小説のタグ