西陽

西陽だけが射す箱庭で

僕は

頭を掻き毟り

血が滲むまで爪を噛み

訳の分からない音を

喉が潰れるまで咆哮した

鉛壁が立ち塞がる

仕組まれた空の下で

出鱈目に体を動かし

捻じ曲がった関節が

油切れの動輪に似た軋みをあげるまで

呪いの舞踏を繰り返した

自己を呪い

他者を呪い

忘却と言う神を求めた

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