魂の償い
限前零
人斬りと奴隷
零:(銃口とか…剣の切っ先を突き付けられると、その突き付けられた所から相手の殺意が……伝わってくる。
軽く触れてるだけなのに……何故か痛くて…全神経がそこに集中してるって分かる。
避けなきゃ……そう思うけど、身体は動かなくて……苦しくなって…
……そこで目が覚める。)
はぁ………はぁ…っ…
ごめん…なさい………"ご主人様"……
(ご主人様が亡くなった日から……僕は、ご主人様に殺されそうになる夢を見るようになって………決まって胸元の焼き印が酷く痛くなる。)
僕は………"奴隷"というだけで……
一生縛られるのかな……
そんなの………嫌だ…
(零は傍らにあった錆びた剣を抱き締める。ご主人様の遺体の側から持ち去った物だ。今では御守りがわりになって、安心できるのだ)
………おじさん……
イド:兄やん…相変わらず寝れんがか。また"あの夢"……じゃろ?
零:………うん。せっかく…逃げ出せても……
ずっと狙われてる気がする。誰かに…見られてるような………
イド:………ええか。絶対にこの獲物を手放すなや。ほしたら…いざっちゅー時助けちゃるけ。
零:………うん。
イド:(じゃが……兄やんの勘は当たっとる。厄介なんが追わえて来とる………な。)
零:(でも……この剣って、抜けないんだよね。何でかな…)
?:子供一人で何処へ行くんだ?危ないじゃないか…(嫌な笑みを浮かべている)
零:………!(こ……この人………凄く怖い……夢のご主人様みたいに……)
?:おじさんみたいな奴に……殺されても知らないぜ!(剣を振りかぶる)
零(?):………しゃらくせぇ!
(零は自分の意思とは反して動いた身体に驚きを隠せない。それに…あれほど抜けなかった剣が、相手の一撃を受け止めている)
零:…………ど、どうして…。
?:ああん…?"奴隷"の分際で……"処刑人"に逆らおうってのか。
イド:(兄やん…ちっくと身、貸しとおせ。たたっ斬る!)
(零の返事を待たず、酣で相手を圧倒していく)
?:なんだ……っ!?このクソガキ…俺様を倒そうってのか!あんまり大人を舐めんじゃねぇ!
(一瞬の隙を突かれ利き手の関節を外されてしまった)
イド:………関節外した程度で、勝てる思うなや。
(音無に持ち替えると相手の片腕を斬り落とした)
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