二十一曲目『聖石会議』

 街に突然現れたライオドラゴンを討伐して、次の日。

 城の中がどうも騒がしく、慌ただしい雰囲気を感じて目を覚ました俺は欠伸混じりに談話室に向かうと__。


「__よう、赤髪」


 談話室にあるソファーにふんぞり返って座る黒髪のボサボサ頭の男__アスワドの姿があった。

 アスワドは琥珀のような黄色い瞳で睨みながら鼻を鳴らす。


「いつまで寝てんだよ、こんな騒がしくなってんのによ」

「昨日は夜遅くまで街の調査をしてたんだよ……って、そんなことより、どうしてお前がここにいるんだ?」


 結界があるはずなのにモンスターが現れた原因を探るために、俺たちはずっと街を調査していた。そのせいで寝るのが遅くなったから、今まで騒がしいことに気づかなかったのは仕方ないだろう。

 それよりも、どうしてここにアスワドがいるのか気になる。

 アスワドが率いる黒豹団たちは全員、機竜艇で過ごしていた。アスワド曰く「俺たちみたいな盗賊が国の世話になる訳にはいかねぇんだよ」という理由で。まぁ、盗賊としての誇りが許さないとか、そういうことだろう。

 だけど、そのアスワドが城の中……俺たちが過ごしている談話室にいることに首を傾げていると、アスワドは面倒臭そうに後頭部をガシガシと掻く。


「ここの女王に呼ばれたんだよ」

「レイラさんに? どうして?」

「災禍の竜と戦った誇り高い実力者である俺を混えて、話があるんだとよ。内容は俺も知らねぇけどな」


 やれやれとため息混じりに答えるアスワド。

 たしかにアスワドは俺たちと一緒に災禍の竜と戦ってるし、実力もかなりのものだ。

 そのアスワドを混えた話って、一体なんだろう?

 ますます疑問が浮かんでいると、俺に続いてやよいたちも目を覚ましたのか談話室に入ってくる。


「おはよぉ、タケル……うわ、なんでアスワドがいるの?」


 眠そうに目を擦りながら声をかけてきたやよいは、すぐにアスワドに気付くと顔をしかめた。

 そして、アスワドは勢いよく立ち上がるとやよいに駆け寄る。


「おはよう、やよいたぁん! 寝起きのやよいたんも可愛いな!」

「はいはい、ありがとありがと」


 アスワドの熱烈なアピールを軽く流すやよい。

 すると、やよいに続いて真紅郎、ウォレス、サクヤ、キュウちゃんも談話室に入ってきた。


「あれ? アスワドだ。珍しいね」

「ハッハッハ! 今日もバカだな、アスワド!」

「……バカがいる」

「きゅー」


 真紅郎たちがアスワドに気付いて声をかけると、ニヤついていたアスワドがギロリと鋭い目つきで睨みつける。


「誰かバカだ、ゴラァ! 俺がいちゃ悪いってのか、あぁ!?」

「朝っぱらから喧嘩すんなよ、バカ」

「あぁ!? んだとクソ赤髪! 喧嘩なら買うぞゴラァ!」


 そう言って襟首を掴んでくるアスワド。俺も負けじと襟首を掴んで睨み合っていると、談話室の扉からノックが聞こえてきた。

やよいが返事をすると扉が開かれ、そこからミリアが顔を出す。


「失礼しま……タケル様、何をなさってるのですか?」

「あぁ、そこのバカ二人は気にしなくていいよ。で、どうしたのミリア?」


 談話室に入るなり俺とアスワドが睨み合っているのを感じ取ったミリアが首を傾げ、やよいが気にするなと声をかける。

 ミリアは俺たちのことを気にしつつも、要件を話した。


「実は、今から皆様に会議に出席して欲しいんです」

「会議? もしかして、昨日の?」


 会議と聞いて真紅郎が昨日のこと……街に現れたライオドラゴンについての会議なのか聞くと、ミリアは真剣な表情で頷いて返す。


「はい。昨日の件は明らかにおかしい……おそらく作為的・・・なもので間違いないでしょう」


 作為的……つまり、誰かがこの国に張られている結界を抜け、モンスターを放った。ヴァベナロスト王国はそう判断したようだ。

 俺はアスワドから離れると、ミリアは談話室にいる俺たち全員に向かって言い放つ。


「この一件について、実力者である皆様には我が国が誇る六聖石が一堂に会する__<聖石会議・・・・>に出席して欲しいのです」


 ヴァベナロスト王国が誇る、選ばれし六人。レイラさん、ローグさん、レイド、ヴァイク、レンカ、ストラ。

 その六聖石が集まるということは、余程の異常事態のようだ。

 重く受け止めた俺たちはすぐに準備を整え、ミリアに連れられて城の中にある大広間に向かう。

 大きな扉の前にいた騎士が俺たちに気付くと、重い音を立てて扉が開かれた。

 石造りの壁にある燭台の明かりで照らされた、赤い絨毯が敷かれている大広間。どこか重厚感のある雰囲気が漂う空間の中央には、大きな円卓が置かれている。

 ミリアに言われ、俺たちが椅子に腰掛けると……また扉が開かれた。

 そこからレイラさんを先頭にレイドたち六人が大広間に入ってくる。その表情はいつもと違って硬く、今回の一件の重大さがありありと伝わってきた。

 ふと、レイラさんたちは純白のマントを左肩にかけているのに気付く。すると、隣にいたミリアがこっそりと教えてくれた。


「あのマントは六聖石としての証なんです。左肩に宝石が見えますか?」


 言われて左肩の部分に目を向けると、たしかにそれぞれ違う宝石が取り付けてある。

 レイラさんは赤い宝石……ルビー、か?

 俺が宝石に気付いたのを察したミリアはその意味を語り始めた。


「燃え上がるほどの情熱を持って戦い、皆を率いるお母様には<情熱>を意味するルビー」


 レイラさんはルビーが付けられたマントを靡かせながら、カツカツと靴音を鳴らして歩き出す。

 その後ろに控えていたレイドのマントには、蒼い宝石。


「<高潔>という意味を持つサファイアのように、いついかなる時も誇りを忘れない騎士、レイド」


 次にローグさん。マントには有名な宝石、ダイヤモンド。


「どのような状況でも諦めず、最後まで戦い抜くローグ様には<不屈>の精神は、まさにダイヤモンド」


 ローグさんに後ろを歩く二人。ヴァイクには青紫色の宝石が、レンカには虹色に輝く綺麗な宝石がマントの左肩に取り付けてあった。


「ヴァイクは<冷静>を意味するタンザナイト、レンカのは<忍耐>を意味するオパール。いつも冷静さを忘れないヴァイクと、どのような攻撃も魔法の盾で耐え忍び、仲間を守るレンカを表す宝石です」


 そして、最後にストラ。いつも通り猫背だけど、その表情は違和感を覚えるほど真面目で真剣そのものだ。

 白衣の上からマントを左肩にかけるその姿はどこかチグハグだけど……その左肩には、緑色の宝石。


「ストラはエメラルド……<明晰>の名の通り、あらゆる知識を使って全ての謎を解き明かす、六聖石随一の頭脳」


 それぞれの特色に合わせた宝石にちなんで__六聖石。

 足並み揃えて六人が席に座ると、レイラさんが静かに口火を切った。


「__これより、聖石会議を執り行う。今回はタケルさんたちも特例で参加して頂きます」


 重苦しい雰囲気から始まった会議。思わずゴクリと息を呑むと、レイラさんがクスッと小さく笑みをこぼす。


「そんなに肩肘張らなくてもいいわよ。これは儀礼みたいなものだから」

「そういうことだ。遠慮なく、意見を聞かせて欲しい。特に、真紅郎。貴殿の分析力に期待している」


 レイドに言われた真紅郎は少し緊張しながら、コクリと頷いた。

 少し重苦しい雰囲気が解れてから、ストラが口を開く。


「サテサテ、まずは私から話そうかネ。今回、街に現れたライオドラゴン。解剖してみたけど、特に異常はなかったヨ。結界も破られた形跡がないし、どうやって入ってきたのかは……まだ分かってないネ」


 ツラツラと流れるように報告するストラに、ローグさんは顎に手を当てながら続いて報告した。


「ワシは住民たちに話を聞いて回ったが、どうやら本当に突然現れたらしいな」

「そうみたいだネ。それにしても、あれだけの巨体なモンスターが暴れ出すまで誰にも目撃されなかった、なんて……不可解だヨ」

「それに、ライオドラゴンってこの辺りには生息してないんでしょ? どうしてまた、この国に?」


 レンカの疑問に誰も答えられない。

 この辺りに生息していない、獰猛で大きなモンスターが、結界が張ってあるこの国に、誰もも気付かれずに迷い込んだ?

 これは明らかに偶然じゃない。考えられるのは、たった一つ。


「__誰かが連れ込んだ。それしかないだろう」


 ヴァイクの言葉に、全員が頷く。

 この国を狙う誰かが、作為的にモンスター招き入れた。それ以外に考えられない。

 でも……と、レイラさんがため息を吐きながら口を開く。


「この国は結界で外からは見えないし、入ることも出来ない。仮に侵入者がいたとして、どうやって入ったのかしら?」

「誰かが招き入れた、というのは? 我が国の民がそんなことをするとは考えられないが……」


 ヴァベナロスト王国で暮らしている住民を疑いたくないのか、レイドは顔をしかめながら言うと、ストラが首を横に振る。


「イヤイヤ、それはないネ。結界は人の悪意に反応するように出来ているから、もしも住民の中でこの国に仇なそうとしていたら、弾き出される・・・・・・はずだヨ」

「ん? ちょっと待った。だったらどうしてライオドラゴンは弾き出されていないんだ?」


 ストラの話を聞いて引っ掛かったところを聞くと、ストラは「そこなんだよネ」と腕組みしながら天井を見上げた。


「普通ならライオドラゴンなんて人に危害を加えようとするモンスターも、弾き出されるはずなんだヨ。だけど、結界は何も反応しなかった・・・・・・・

「……結界に干渉した、って言うの?」


 レイラが訝しげに聞くと、ストラはゆっくりと首を横に振る。


「干渉出来る方法なんてないはずだヨ。でも……そう考えるのが妥当、とも言えるネ」

「ストラでも分からない、謎の技術ってことかしら?」

「結界装置を作ったザメぐらいしか出来ない芸当だと思うけどネ」


 結界装置?

 聞いたことがない単語に首を貸していると、ストラが「あぁ」と口角を上げながらその装置について話し出した。


「この国を守っている結界は、ザメと当時の技術者、魔法研究者が作り上げた装置が張っているんだヨ」


 ヴァベナロスト王国を守る、結界。

 それは、この国に置かれている六つの魔法陣が描かれたモノリスによって作り出されているらしい。

 その効果は外部から見えなくする認識阻害、内部に入り込んだ敵を外に弾き飛ばす撃退機能、外部からの攻撃を防ぐ強固な守護、というものようだ。

 ザメたちが作り上げたその装置は、今でも再現出来ないほど高い技術で作られている、とストラは話す。

 それだけの技術で出来ている物に干渉するなんて、作った本人ぐらいしか無理だろう。

 だけど、もしもそれが出来る者がいるとしたら……。


「この国の平和は、もはやないと同じだ」


 悔しげに眉を潜めながら、ローグさんが呟く。

 ヴァベナロスト王国が今まで平和だったのは、その結界があってこそ。その結界に干渉出来るなら、もうその平和は失われている。

 静まり返る大広間。その静寂を打ち破ったのは、真紅郎だった。


「あの、一ついいですか」

「いいぞ、真紅郎。何かあるなら遠慮なく言ってくれ」

「なら、お言葉に甘えて……もし、この国に何かしようとしている敵がいるなら、まだどこかに潜伏していると思います」


 真紅郎は顎に手を当て、思考を巡らせながら話を続ける。


「その敵の正体、目的は分かりませんが……何かしようと企むなら、国の外には出ないはず」

「なるほど、たしかにそうだろうな。ならば、騎士たちに巡回を命じよう。不審な輩がいれば、すぐに分かるはずだ」

「ちなみにだけど、誰か不審な奴は見なかった?」


 レイラさんの問いかけに、誰も答えなかった。

 この国に暮らしている人なら、見覚えのない人がいたらすぐに分かるはず。だけど、誰もそんな人は見ていないようだ。


 __だけど、俺は違った。


「姿は見てないけど、一人だけいた」


 俺の言葉に、全員が目を丸くして驚く。

 レイラさんは眉間にシワを寄せながら、俺を見つめた。


「聞かせてくれるかしら?」

「二匹目のライオドラゴンが討伐されてすぐのことなんですけど……歓声を上げている住民たちの声に紛れて、誰かが呟いたのが聞こえたんです」


 それは、男の声だった。

 無機質で、感情が込められていない……聞いたことがないほど、冷たい声。

 吐き捨てるように、最初から興味がないように、男は呟いていた。


 __この程度、か。


「聞いただけで身が凍るような、そんな声だった。まるで心がない、機械みたいで」

「……フムフム、それは間違いないんだネ?」


 ストラに力強く頷いて返す。

 これでも俺はボーカリスト。ここにいる誰にも負けないと自負するほど、声を聴くことには長けている。

 そんな俺が、今まで聞いたことがないほど冷たい人間とは思えないほど機械的な声は、耳に刻まれるぐらいに印象的だった。


「でも、姿は見てないんだ。振り返ったら住民しかいなかったし」

「いや、充分だ。敵は男だと分かっただけでも僥倖。不審な男を探すよう騎士たちに伝えよう」


 レイドがそう纏めると、レイラさんは俺たちの顔を真剣な眼差しで見つめる。


「タケルさんたち、そしてアスワドさん。あなた方にお願いがあるの……この国に仇なそうとしている敵を探し、捕まえてくれないかしら?」


 レイラさんのお願いを聞いた俺たちは、笑みを浮かべた。


「ハッハッハ! 当然だ! 今まで世話になってるからな、任せとけリーブイットトゥミー!」

「そうだね、ボクたちとしても見過ごせない」

「平和なこの国に何かしようとするなんて、絶対に許さないんだから!」

「……その代わり、美味しいの食べさせて」

「きゅきゅきゅー!」


 真紅郎たちはやる気満々で答える中、アスワドは鼻を鳴らす。


「ハンッ。俺には関係ねぇ……って、言いたいところだが、最近暇だからな。久しぶりに骨のある奴と戦えそうだ……いいぜ、やってやるよ」

「よかったわ。アスワドさん、ありがとう」

「あー、女王さんよ。俺にさん付けはいらねぇよ。とりあえず、黒豹団全員で捜索する。黒いローブの奴らは俺の仲間だから、捕まえんじゃねぇぞ?」


 アスワドも協力してくれることになった。

 最後に、俺は口角を上げながら口を開く。


「俺たちももうヴァベナロスト王国の一員みたいなものだからさ……絶対に守ってみせる」


 俺たち全員がこの国に何かしようとしている敵と戦うことを決めると、レイラさんは嬉しそうに微笑んだ。


「本当にありがとう……では、改めて。六聖石、そしてタケルさんたち。全員協力し、敵を捕えましょう。このヴァベナロスト王国を守るために!」


 この場にいる全員が力強く返事する。

 そして、それぞれが動き出そうとすると、ミリアが俺に声をかけてきた。


「あの、タケル様……」

「どうした、ミリア?」


 心配そうな表情を浮かべたミリアは、何か言い辛そうにしながら意を決して口を開く。


「何か、その……嫌な予感がするんです」

「嫌な予感、か。俺も感じてる」


 俺もミリアと同じ、何か嫌な予感を感じていた。

 だけど、ミリアはフルフルと首を横に振る。


「違うんです。その嫌な予感は、もちろん国のことに対してもなんですが……」


 そう言うとミリアは俺の袖をギュッと掴んできた。

 閉じられた目を向けながら、ミリアは絞り出すように言い放つ。


「__タケル様に、何かある気がするんです」

「……俺に?」


 目を丸くして聞き返すと、ミリアは静かに頷いた。


「夢を見たんです。おぞましい黒い魔力が、タケル様に迫ろうとしている光景を。意志を持った魔力がタケル様の体に纏わり、縛り付けているような……」


 目尻に涙を浮かばせ、袖を掴む力を強くさせるミリア。

 ただの夢だと言うには、ミリアの様子がおかしい。まるで何かを予知しているかのように、ミリアは声を震わせる。


「タケル様、決して無理はしないで下さい。魔臓器は治りかけていますが、まだ万全ではありません。戦いになれば魔法を使うのは仕方ないと思いますが、絶対に無理だけはしないで……お願い」


 必死に懇願するミリア。丁寧な口調を忘れているミリアから、本気でお願いしているのが伝わってきた。

 俺はミリアの頭に手を乗せ、安心させるようにポンポンと撫でる。


「大丈夫だって、ミリア。俺は一人じゃない。レイドたち六聖石とか、やよいたちもいるし……あと、気に食わないけどアスワドもいる。心配するなって」


 笑みを浮かべながら頭を撫でると、ミリアは静かにうつむいた。俺の言葉を聞いても、不安は拭いきれないみたいだ。


「俺は、死ぬつもりはないよ。だって、夢があるからな」

「夢、ですか?」

「あぁ__元の世界に戻って、メジャーデビューするって言う大きな夢がさ」


 俺の全て、それは音楽。

 音楽がない生活なんて考えられないほど、俺は音楽を愛している。

 だから、俺はここで死ぬ訳にはいかない。


「夢を叶えるまで、俺は絶対に死なない。這いつくばってでも、生き抜いてみせる! だから、ミリア。約束しよう」


 そう言って小指を立てて、ミリアの前に持っていく。


「約束?」

「そうだよ。またこの国でライブするって、約束」


 ライブをするには、俺たち全員が揃ってないと出来ないこと。

 これは__生きてまたライブをするという、決意だ。

 ミリアにもそれが伝わったのか、微笑みながら俺と小指を結ぶ。


「……分かりました。絶対、約束ですよ?」

「あぁ、約束だ」


 俺はミリアと約束してから、敵の捜索に動き出すのだった。



 

 

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