女神レーズレーヌの信託

「呼んでまいりました。お母様のキャルロット・ホワイトローズ公爵夫人とお父様のレノバン・ホワイトローズ公爵です。」


「久しぶりね。キャルロット。」


「はい、レーズレーヌ様。此度は我が子リリーのレイピアについて信託を承りたい所存にございます。」


すると、綺麗な髪を揺らして女神様は仰った。


「この子はね、やっぱり女神の加護を与えた覚えがあるわ。」


女神の、加護?


「まぁ・・・。一体どのような加護ですの?」


「レーズレーヌ、渾身の加護よ。それは『華の加護』草花関係の魔法が断トツにあがる上に他の魔法・・・他属性もその専門並みに使える上に剣技も最強・・・それが華の加護よ。今までやこれからのどの加護よりも強い加護。勇者に与えた加護よりも・・・ね。今年、学園入学なのでしょう?なら『勇者科』を選択しなさい」


勇者科・・・?不思議な名前だわ。多分勇者様御一行の中のものを選ぶための科・・・よね。


「しかし・・・勇者科に入るには神殿の信託で『勇者』か『英雄』、又は何故か『華姫』を頂かなくてはいけないのでは?」


勇者、英雄は分かるけど、華姫・・・?


「華というのはね今までタダ1人も居なかったけど、本当にある勇者系統の役職よ。『華姫』は治癒か草花関係の魔法をもうそれはそれは得意とできる血筋の女の子にしかあげないことにしているの。だからね、ホワイトローズ公爵家のような家名に草花が入っていたりしなくてはならないし、その上で育ちが良くなければ学園入学が出来ても勉強をしたがらないから育ちが良い娘、その中でも私の気に入った夫妻にその娘を授けるときProtection of flowersつまり華の加護を授けるの。そうすると神殿では『華姫』がでるのよ。」


「・・・レーズレーヌさま、それってつまり、私、その華姫というお役職なのですか?」


「!大正解だよ!ということで頑張りなさい、華姫。」


はぁい、と消え入りそうな声でいうと、女神様はもう居なくて、ラズベットさんが呆然と立っていた。


「まさかほんとに・・・『華姫』が居たなんて・・・」


驚いたりはしゃいだりしてるお母様たち。

当の私は?取り敢えず剣を見つめてました・・・

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