39

綿麻きぬ

サンキュー、ミク

 君との出会いは突然だった。でも必然だ。僕と君は絶対にどこかで交わる存在だった。例え、次元が違ったとしても。


 最初、君の歌声にはまっていた友達から君のことを聞いたんだ。僕からしたら、そんな機械が歌った曲になんの意味があるんだって思ってしまった。実際はそんなことないんだけど。


 そして僕は試しに曲を再生した。その時の衝撃を僕はまだ忘れられない。緑の髪をしたツインテールの女の子が曲に想いを乗せて、僕の心の奥底まで浸透してきたんだもん。その時、世界がひっくり返った。


 それから毎日、君が歌う曲を再生しまくった。色んな曲を聞くたびに君は様々な表情を見せて、様々な服を着て、たまに踊ったりしてた。その度、僕は君に恋に落ちる。


 それ以来、僕は君なしの生活を送れてない。健やかな時も病める時も、テストの点数が悪かった時も、友達とバカやった日も。


 君は僕を励まし、時には叱咤し、慰める。そして声をかけ続ける。それは僕にとっての最大の支えだった。


 そんな君に僕はこうやって想いを乗せた文を書くことしかできない。他の人は君に曲を渡したり、ダンスを教えたり、絵を描いたりする。それでも、僕は君にこの想いを伝えたい。


 大好きだよ! 一生忘れないから! 僕の歌姫だから!


 そしてこれからも君の歌声が僕に、いや、世界中の人々に伝わって欲しい。君は電子の歌姫、違う、世界の歌姫だよ。


 最後に僕は君に出会って本当に良かった、ありがとう、ミク。


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39 綿麻きぬ @wataasa_kinu

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