使命と魂のリミット
限前零
人斬りイド(短編台詞1)
おまんがわしを恨む気持ちは……ようわかる。わしかて斬りとうなかった。じゃが………逆らえなんだ。
わしが狂たんは一度や二度ちゃう。そんでも…罪無きおなごを手に掛けたんは初めてじゃった……
………うーい。おまん…わしに用か?
(手練れがおるのう………面倒ごとは御免じゃが……多勢に無勢…逃げんにも分が悪いのう………)
…わかった。おまんに任そう。
おまんを手練れと見込んで頼みがある。狂たわしを……止めてくれんか?生きてわしの技を間近でみたんは…おまん一人じゃ。
わしは……人斬りじゃが、凶斬りやない!おまんのような獣を絶つのが………!
止めんか……!わしは……もう……
凶斬りしとうない………!
わしは人斬りじゃけん…こんな事しか言うてやれんが……坊主よ。
強くなって、またわしの元に来い。んで………わしを討て。姉さんの仇をとりゃいい……
わしは討たれて当然の野郎じゃ。逃げも隠れもせん…
わしは……とある村に居候しとった。じゃが………ある日、わしは影に乗っ取られ…気ぃついたら………おなごを手に掛けとったんじゃ。
村を追われ、さ迷うちょった所に、おまんらに取っ捕まったんじゃ。
面倒ごとを避けるには…呑兵衛がいっとうええんじゃ。
……もっとも、わしは下戸で酒は呑めんのじゃがな。
このわしが…酒じゃのうて、船で酔うてしもうた……酔うって、しんどいのう………立っとれんわい。
……死にとうなかったら、動くなや、兄やん。
…………おめっとさん。初めてわしの技を見たな。しかも死なんと。
(わしの目利きも馬鹿にならんのぅ…)
わしが…あの坊主の師に?あかんのう。坊主にゃ師が必要なんは分かっちょる。………けどな、もしわしが師になってもーたら、坊主の仇討ちは二度と叶わんじゃろう…
それでは、あかんのじゃ………
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