生と死を司る者

限前零

手記

5/22 2019年


親の悲願達成を目的に育てられた子供が、間際になって"自死"という反逆を選ぶ。


そんな話、絵空事だと笑いたかったけど…


"私にとって貴方が全てでした…

私は貴方の目論見を無下にしたくて


今まで生きてきたんです


貴方の表情が絶望に歪む様を

見ながら逝きたいと


ずっと…それだけを願っていたんです。"


いつかそんな台詞を吐いてやろうと願うだけが希望だった。


1/16 2021年


死を乞い願った俺が………生を司る医者になった。


別に他人の役に立ちたい訳じゃないんだ。


死とは対極のこの立場を選んだのは……何かを掴みたかったからだ。生から死を見つめ、己の虚さを埋めようとしていたんだろう。

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