崩壊都市

やっくぅ

第1話

「先輩!先輩!止まってください!」

彼の後輩には彼女たちの上司がどうしてあの敵対生物である人工魔法使い「人魔」の方に向かっているのかがわからなかった。

彼女たちの先輩は、撤退命令を出したばかりだった。しかし、彼はあの人魔を見た瞬間、突然人魔のいる丘の方へ歩いって言った。

丘の上の人魔は、異様な空気を放っていた。

負傷している彼女たちには太刀打ちできない。できるはずもない。

入局してから、多くの実績を積み重ねてきた彼に後輩たちがかなうはずもなく、彼はずんずんと丘の上にまだいる人魔に向かい続ける。

「先輩、百合さん....」何度も彼はこの言葉をリピートしていっている。

「三河先輩やめて!」

その一言で、三河と呼ばれた少年は我に帰った。

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