スタート・サムシング・フロム・ゼロ
@kwf
第1話次の停車駅
電車の中は夕焼けの茜色に染まる。
「誰もいないのに何にすがるの」
いつかの言葉が引っかかる。
「あなたはわたしを捨てるの?」
「あなたはわたしからすべてを奪うの?」
頭の中はフィルムのように回転する。
茜色は空一面を覆う。
次の停車駅まであと何分あるのか。
「それでも世界は続くと言いたいの?」
多分、明日へ行き先が定まればな。
こんなに思い出すこともない。
「何もないという顔をして去っていくのね」
未来温度計でもあればな。
2019(R1)8/30(金)
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