第6話 番手

番手とは、自力選手の後ろを走り、風から守ってもらいながら、後続の選手を捌き、自力選手を走りやすくし、最後の直線で抜きさろうとする選手を指す言葉。


言い換えると、ケツを見ながら走る人。


ぷりんとしているか、ゴツゴツなのか、それは関係ない。

競輪が面白いのはラインを組むから、そして番手を中心に、勝利の為なら競ることも辞さないその姿勢にあるから。


台風の凄さを伝える為、テレビが得意な茶番劇。


室戸岬の○○さーん


はいぃぃっ、先程上陸した(ザーザー)台風28号は…わわっ…これはぁすごごっすごい風です!そしてっ!海を!打ち上げる波を見てくださいぃっわわわどんだけぇ~


○○さん、危ないよ!早く安全な所に行って!!


タカさん、どうでしたか?………


気付いたであろうか


番手とは、宮根誠司だと


まず、○○を台風の現場に行かせ、その映像を流し、○○を心配するフリ。そして、その台風におののき、食い入る様にモニターを見続ける。○○は臨場感溢れるレポートに陶酔しきり。帰宅後、息子が

やったねパパ、今夜もホームランだ!

と言い小躍りする姿を想像した、まさにその時…


危ないよ!早く安全な所に行って!


強制的にスタジオに戻り、4日間溜まった大便を捻り出すような顔をして、台風の凄さを訴え始める宮根誠司。その時、視聴者はもう○○を忘れているという。


私は爆笑する。○○最悪やないかと。

と同時に、道理で番手選手が好きなわけだとも。










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