十一日目
「アザレア!今日は珍しい品種の紅茶を持ってきました。『魔王特性愛情クッキー』もありますよ、二人でお茶会にしましょう」
「名前変わってません?」
「細かいことは気にしない気にしない。味付けを変えて紅茶によく合う様にしたんです」
「……変なものは入ってませんよね?」
「私の愛をたっぷりと」
「……」
「冗談ですからそんな蔑むような目で見ないでください、ときめきます」
「一度あなたの思考回路を見てみたいです」
「私に興味を抱いていただけて嬉しい限りです。紅茶にミルクはいれますか?お砂糖は?」
「興味など欠片もありません。両方いれてください」
「ふむふむアザレアは甘党なのですね、可愛いです。けど寝る前の歯磨きはきちんとしないと虫歯になりますからね?」
「あなたは私の母親ですか」
「いいえ、将来の旦那様です」
「……返しは上手くありませんが紅茶は美味しいです」
「喜んでいただけてよかった、クッキーもどうですか?」
「結構です」
「警戒せずとも腹痛を引き起こす薬なんて入ってませんよ?もちろん愛はたっぷりと練り込んでありますが」
「……やっぱりあなたでしたか」
「何の事でしょう」
「薔薇のトゲも、もしかして……」
「記憶にありません」
「……そう言うことにしておきます」
「はい。という訳でクッキー、口移ししましょうか?」
「いりません!」
令嬢は気が付いてしまった。
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