六日目

「こんばんは。今日は遅くなってしまい申し訳ありません、お待たせしました。あなたの魔王様です」


「待っていません」


「今日の贈り物は私の髪色と同じ漆黒のドレスです」


「返品します」


「まぁまぁそう言わずに手触りだけでも」


「こんなものいただいたって私にはどうすることも……あら、手触りが良いですね」


「魔族の職人に作らせた一級品で手触りがいいだけでなく、夏は涼しく冬暖かく過ごせる魔法がかかっています。アザレアの為に作らせました」


「魔法の無駄使いですね」


「ちなみにどんな武器からも身を守る防御魔法もかけてあります」


「ドレスというより鎧」


「アザレアに何かあってはいけませんから。ちなみに誰かが悪意をもってあなたを傷つけようとした場合、相手に倍返しにします」


「危な過ぎます。手触りはさらさらですごくいいのに」


「触りましたね?」


「……え?」


「アザレアが一度でも触れると返品不可の祝福がかけられてます」


「騙された!?」


「ちなみに捨てようとしても戻ってくるという祝福付きです」


「呪いのドレス!?」


魔王の祝福は呪いと紙一重。

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