非現実な"名無しの海岸"の真実と非現実な古代武器は突然に
さて、予想外のエンカウントはあったが何とか二人で撃退し、改めてこの名無しの海岸を散策する。日も暮れてきたので、先程出会ったリスみたいな生き物が出た草むらから離れた所にレジャーシートを敷いて、四隅に重し代わりの石を置いて、近くには番犬の役割を引き受けたグリフォンがいる。ってか、あのリスみたいなのが出た時に、このグリフォンをけしかければ、いいのでは…?っと今更ながら思う…。
まぁ、無事撃退したし、いいか。
よし、休憩スペースも設けたし。
これではれて、この海岸を散策できるな!
「じゃあ、ライナ行こうか!」
と海岸から見える夕日を見ている肌色のワンピース姿のライナに声を掛け…ライナが俺に振り向いた、夕日をバックにライナは微笑みながらこちらへ駆け寄る…、その光景に思わず…
「綺麗だな…」
と呟く…。
「えぇっ!?綺麗だなんて…、そんな/////」
と狼狽えるライナ。
だが、事実、綺麗なのだから仕方ない。
そうしてライナを連れ散策に出掛ける。あの生き物にエンカウントしないとも限らないから武器は持っておく、
そんな時不意にライナが
「その手に持っているのは何です?」
そう言って俺の左手に持っている錆だらけの刀をみる
「ああ、刀らしいけど…その辺に刺さってたんだよ」
と言って浜辺の辺りを指差す。
「かたな…?」
俺はその問いに
「大昔の人達が帯刀してた
武器だよ、ライナの持ってる剣みたいな物だな」
と、答えを返す
「おおっ!古代の武器という訳ですねっ!」
と、ライナが驚きながら言う。
古代の武器…か、そんな大層なモノじゃあない気がするが紫に光る刀身…握って分かる…多分この刀はただの刀じゃない
まぁ自分の身を守るには充分だな。
そう思いながら右手に持つ紫に光る刀を見る。
「さあ、さあ。夜になる前に散策するぞ!」
そう言ってライナと共に歩みを進め、俺は錆だらけの鞘を背中に背負い込む、都合良く紐が付いてたのは有り難い。
と、その時、背中に背負った刀が紫色に強く光る…!
と同時に浜辺からデカい貝が飛び出す!
「魔物ですっ!!」
とライナが叫び何も無い空間から長剣を取り出し構える。
おいおい、この海岸…、エンカウント率ヤバ過ぎだろ…っ!しかも貝の魔物って!
これがこの”名無しの海岸"を秘境たる戒めか!?
そう思い鞘から発光する刀を抜く。
俺は刀を構え、
相手の出方を伺う…。
すると貝の魔物が真っ先に俺に体当たりをぶちかます…!
おいおいっ!あの巨体で体当たりとかっ!不味いっ!!
しかし、俺は思わず、
それを発光する刀で受け止め、軽く、往(い)なす…。
何だ…?あの巨体の体当たりを刀で受けたのに身体が軽い…、それにコレは…?刀があの魔物の攻撃を往(い)なしている…?
そう思いながらも俺の意思に関係なく魔物の攻撃を次々と往(い)なす…。
そして魔物の攻撃の勢いが弱まった隙をライナが狙う。
「はあっ!!」
と掛け声と共に剣を魔物に振るう。
そうして貝の魔物は縦に真っ二つに割れ、力尽きて霧散した…。
「ふぅ…」
と刀を鞘に納め、一息付くと
そこへワンピース姿のライナが抱き着く。
あの俺、ワイシャツと長ズボンなのですが…?豊か過ぎる胸が薄い布越しに伝わるのですが…?///
「凄いですっ!凄い凄いっ!!やっぱり未知は凄いですっ!!」
ライナはそう言って俺に抱き着き。
俺は訳からず一言
「な、何が…?」
するとライナが
「あの魔物相手に余裕の剣捌き!私っ、不肖ながら見惚れてしまいたっ!!」
うーむ…。俺と言うかこの刀が全部やった気がするが…。
と思ったが褒められるのはいい気持ちなので黙っておく。いつかバレると思うがその時は素直に白状しよう…。
「ほ…ほら、デートの続きをするぞ?」
そう言ってライナを俺の身体から離す。
ライナは残念そうに俺から離れる。
何で残念そうなん…?まぁ俺ももう少しだけ抱きついててもいいが…だってっ!あの豊か過ぎるおっぱいは反則だろうがっ!あれは性別関係なく好きだよ…?
さて気を取り直してデートもとい散策の続きだが暫く歩みを進めると先の方に興味深い岩が点在していたそこには古い日本語で『この聖域汚すべからず雷光刀を受け継ぎし者へ』ここで文字は終わっている…。
そこにライナが一言
「聖域…ですか…?」
「ふむ…日本語で書かれた文字の内容…。秘境…あの魔物の数…それにこの錆た刀…」
そう呟くとライナが
「何か分かったのですか…?」
「分からんが、この海岸自体が色んな意味でヤバい場所ってのは分かった、それとゴミが落ちてたらこのゴミ袋に詰めておいて?」
と白く大きなゴミ袋を渡し俺もリュックからゴミ袋を一枚取り出してゴミが落ちているかどうか散策する。
すると、ライナが首を傾げながら俺に尋ねる。
「どういう事です…?」
「合っているか分からないが一応聞くか…?」
と尋ねるとライナは
「はいっ!」と力強く返事を返した。
その返事を聞いた俺は続ける
「この海岸には海を守る番人みたいなのがいて、大昔からこの海岸を守ってきたんだ、で番人はあの魔物達を使いこの海岸を汚す人間を懲らしめてきたって訳だ」
「それが名無しの海岸の真実ですか…」
「多分な…?合っているか分からんぞ?」
そう言って、あくまで仮説って事を念押しして。
それにライナが
「でも真実ならゴミを拾って、この海岸を綺麗にすればあの魔物達も襲って来ないって事ですよね…?」
「ああ!」
そう言ってライナと共に海岸のゴミ拾いに勤しむ。
そうしていると夜が訪れ、その瞬間この海岸のゴミ拾いは完了したのだった。
「よし、もうゴミは落ちてないな!?」
そう言ってライナの方を向くと
「こっちももうゴミは落ちてませーんっ!!」
そうして
息を大きく吸い大声で
「聞こえるかー!?番人っ!!この海岸は綺麗になったぞーっ!!」
そう叫ぶと…。
『有り難い…心優しき人間達に感謝を…』
優しく暖かな声が辺りに響く…。
そうして夜…。
レジャーシートに腰を据えた俺達は夜の海岸線をさざ波の音と共に見ながらライナが作ったお弁当を食べながら
ライナと楽しく喋る
「然し…名無しの海岸ですか…確かにゴミが捨ててあったらゴミ屋敷の海岸ですね〜…」
「ぶっ…www」
「きゃっ!?未知!汚いですよ!?」
「お、お前が急に変な事を言うからwww」
「そんな変な事言いました!?」
悪意は無いんだろうが、あの番人が聞いたら怒るぞ…?でも、その通りだ、何も無いからこその"名無しの海岸"なのだ…。
と、こんな感じで、その日の海岸デートは無事に閉幕した。
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