グランドワールド 

りく。

非日常の始まりと平凡な日常の終わりは唐突に

俺は、細矢 未知(ほそや まち)、

三十路のフリーターをしている女だ、

定職…?

高校も碌に卒業していないのに着ける訳がない。

一人称が(俺)なのは、

男兄弟の影響だ、

同僚からは、

「今すぐ直した方がいいよ?」

と言われるが、

これで三十過ぎまで生きてきたんだから今更直せる訳がないだろが…。

と同僚に返したら

「それじゃあ結婚も先になりそうだねぇ…」

と失礼な事を言われたよ…。

さて、

こんな俺だが日々、

考えてる事がある。ある日、

この何気ない日常がある時、

ふと非日常になったら…?と、

この日もバイト帰りに電車に乗り夜景を眺めながらそんなことを考えていると…。

乗客の1人が夜景に向かって指をさし、

1言大きく声をあげた、

「おいっ!アレなんだよっ!!」

その声に反応する乗客の人達、

勿論、

俺もその声に反応して指さした夜景に視線をやると…夜景を大きく照らす月にソレはいた、人の形のソレは大きな翼をはためかせ電車に並走するように飛んでいた…。アレは何だ…?鳥人間…?いや目を凝らすと人間と言う割には歪な骨格をしている…。それは徐々にスピードを上げ…、物凄い勢いで俺の乗ってる電車にぶつかって来た…!

凄い衝撃と共に電車が揺れ、

そして止まる…、ここで電車がひっくり返らないのは不幸中の幸いか…。だが衝撃は俺を含めて全員が座席から放り出される程に強く向かいの窓や扉に強く叩きつけられ…、そして暫く気を失い…。そして次に目が覚めた時には目の前の光景に開いた口が塞がらなかった…。それはあれた電車の中血を流し倒れる乗客達…、俺は急いで倒れてる人達に駆け寄り呼びかける。老若男女問わず倒れてる人達…。

これは夢なのだろか…?そう、心に問い掛けながら無事な人を探す。そして何人か無事な人達を見つけ、重度のケガをした人達を安全なシートに寝かせ、運転席を覗くとそこには信じられない光景があった何と先程ぶつかって来た正体不明の生き物が運転手を喰っているっ!その生々しい光景に吐きそうになりながらも静かに後ろへと後ろへと…後退して、その時割れた窓のガラスを踏み…、その音が鳴り響き、正体不明の生き物がその音に反応して振り返り俺を見た…、赤く血走った眼は恐ろしく並の子供だったら泣き叫んだだろう、その点俺はそいうのをゲームとかで何回も見てきた、だが生でみると大人な俺でも吐きそうになる。この辺はゲームとは違う、しかも血の匂いと生き物が発する口臭さと相まって吐き気を加速させる。しかしこの状況は非常に不味い…。

これは流れ的に俺も喰われる奴だ…何とかしないと…、襲い来る吐き気に見舞われながら何とかしないとっ!

と…、

後退しながら踏み鳴らすガラス片に気が付きそして一枚ガラス片を拾い上げ、

そのまま勢いよくその生き物に投げる、

そして、

そのまま生き物の大きな眼に刺さり、

その生き物はおぞましい悲鳴をあげてその場を転がり、

うめき、

その隙にダッシュでその場を後にして無事な乗客達がいる車両まで駆け出し、

そして俺は開口一番に全員に叫んだ

「この車両から全員出ろ!!あの化け物が先頭車両にいるっ!!」

それを聞いた乗客は口々に「出ろって言ったって…。」「それに動けない人やご老人の方はどうするの…?」とそれに俺は答える「ご老人の方は男の人にお願いしますっ!」「それと動けない人は女の人が協力して運んでくださいっ!」そして各々に役割を分散させて、そしたら女の人が1言俺に「貴女はどうするの…?」それに俺は「あの化け物を足止めします!」そう言うと同時に先頭車両からあの生き物が突撃した大層怒った様子だ…!まぁそれもそうか…。だが足止め用の武器はある!乗客達に背を向け

叫ぶ、「行けぇー!!!!!」そして俺はガラス片をとりその生き物と対峙する。こうして俺の平凡な日常は非日常と化した。




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