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第1133話 レオを薬草園雇用予定者と会わせました
第1133話 レオを薬草園雇用予定者と会わせました
ちょっとしたサプライズで、クレアが雇う人の中にいたエメラダさん。
初めて会った時、勇気を出して声を掛けて来てくれたのがきっかけで、レオを撫でてもらい、危険ではない事を示したのがあまり障害なく受け入れられたんじゃないか、と俺は考えていた。
まぁ、俺の知らない所でセバスチャンさんとかが、手を回してくれていたりもしたのかもしれないけど。
俺にとっては、レオが多くの人に恐れられずに済んだ人という認識だ。
まぁさすがにレオを撫でるために行列ができたり、拝むような人まで出たりしたのはどうかと思ったけど。
そうか……エメラダさん、クレアに憧れていたからあの時意を決して話しかけてくれたんだなぁ。
男性からは当然、女性でも憧れる気品を持っているように見えるクレアだから、エメラダさんが憧れていると聞いても、全然意外じゃない……むしろ納得だ。
「あのお姉さん、優しそうだったね」
「そうだな、リーザの事も可愛がってくれるかもな」
リーザは賢いから、エメラダさんと言ってすぐにどの人か思い当たったんだろう……記憶力で負けないように、俺も頑張って他の人の顔と名前を覚えなくちゃ。
話の中で、リーザの事もクレアが紹介してくれていた。
ランジ村にいれば、当然リーザを見かける事もあるだろうし、デリアさんもいるからな。
ほとんど好意的に獣人であるリーザの事を受け入れてくれる雰囲気だったけど、エメラダさんは特に優しそうな目でリーザを見ていた。
多分……いや、ほぼ確実に、揺れるリーザの耳や尻尾を撫でたそうではあったけど。
そういえばエメラダさんって、レオを撫でた時あまり人に見せちゃいけなさそうな表情をしていたっけな……。
ま、まぁ、触り心地のいい毛並みを撫でるのは、多くの人が好きって事だろう、うん。
そうして、もう一度少しの休憩を挟み、待ちくたびれていないか少し心配なレオの所へ向かう。
ソルダンさんとはここでお別れだけど、有意義な時間だったとエッケンハルトさんへの称賛を交えながら、数分間語られたりもした。
何故顔見せの場を見て、エッケンハルトさんへの称賛が出るのかわからなかったけど、熱い気持ちみたいなのはほんの少しだけ伝わったかな……クレアは苦笑いだったけども。
役所の前で、先に集合していたカナートさんを除く薬草園関係者全員……クレアが雇う人達も一緒に、大所帯でカレスさんの店へ向かう。
……数十人からなる集団だから、街を移動するよりレオに来てもらった方が良かったんじゃないか? と思うけど、多分何かしらの意味があるんだろうと考えておく事にした――。
「ワフワフ~」
「ははは、よしよし。おとなしく待っていてくれたか~、ん~?」
「ワフ!」
ぞろぞろと関係者を連れてカレスさんの店の前に移動。
俺に気付いたレオが、嬉しそうに鳴いて近付いてきたので撫でてやる。
ちゃんとしていた! と主張するように、ちょっと力強く鳴いたら初めてレオを見る人達が、体をビクッとさせていたけど……怖くありませんからねー。
カレスさんの店の方を見ると、子供達が何事か大勢の集団になっている俺達を見ているので、集まって来た好奇心旺盛な子供達と、ティルラちゃんも含めて遊んでいたようだ。
大人達と違って、シルバーフェンリルに対する知識が少ないからなのか、怖がる子供って少ないんだよな、孤児院でもそうだけど。
まぁ、そこはレオの表情が柔らかいからというのもあるからかもしれないが。
「よし、ここならいいですかね?」
「そうですね。周囲に家があるくらいで……何事かと見られてはいますが、問題ありません」
「問題ないんですね……」
さすがに、大人達だけでなく子供達も含めると百人近くが集まっているので、カレスさんの店の前では商売の邪魔をしてしまうため移動。
近くの広い空き地にレオと関係者、何が起こるのかと好奇心旺盛な子供達を連れてきたんだけど、さすがに目立ち過ぎていて、関係ない人や家の窓などからこちらを見ている人がちらほら……いや、かなりいる。
アルフレットさんやセバスチャンさん、使用人さん達は特に気にしていないようで、問題ないとの事だった……むしろ見せつけているのかな?
まぁ、シルバーフェンリルと公爵家、俺や薬草園の人をラクトスの住民に見せる目的とかあるのかもしれないか。
ただフィリップさん達は、集まって来ている人達の中に不届き者がいないかと、警戒しっぱなしだけど。
ちなみに、カレスさんも様子を見にきた人達の中に混じっていた……やじうまかな?
「えーっと、レオです。一応シルバーフェンリルらしいです」
「ワフワフ!」
「「「「……」」」」
レオの隣に立ち、手を添えながら薬草園関係者の皆に向かって紹介。
どう紹介していいのかわからなかったので、ちょっとぶっきらぼうな感じになってしまった。
隣のレオは楽しそうに鳴いて、自分からも紹介しているつもりらしい。
「あのー、タクミ様?」
「なんですか、エメラダさん」
「その、レオ様を撫でても?」
人の間から抜けながら前に出つつ、手を挙げるエメラダさん。
やはりというかなんというか、エメラダさんはレオを撫でたいみたいだ。
「もちろん、構いませんよ」
「ワフ」
「あ、ありがとうございます!」
レオと一緒に頷くと、「撫でたいなんて、ゆ、勇者が……!」と言うように目を見開いている人達の間を抜け、エメラダさんは嬉しそうに顔を綻ばせながらこちらに来る。
お座りしたレオの前足に手を伸ばし、撫で始めるとすぐに恍惚とした表情になってしまった……早いな。
それだけ、レオを撫でたかったのかもしれないけど。
「ふふふ、エメラダはレオ様を撫でるのが好きね?」
「はっ! も、もちろんです。レオ様を撫でていると、なんというかこう……天にも昇るような気持ちで……」
「ワ、ワフ……?」
微笑むクレアさんに、はっと自分の状態に気付いたエメラダさんだけど、レオを撫でるのはそんな怪しい効果があるのか。
レオが戸惑うのも無理はないけど、せめて癒されるとか、そういう表現にして欲しいところ。
それじゃまるで、依存性のある怪しい何かに聞こえてしまいそうだから――。
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