【大感謝!520万PV突破!】異世界転移したら飼っていた犬が最強になりました~最強と言われるシルバーフェンリルと俺がギフトで異世界暮らしを始めたら~【Web版】
第213話 久々にレオと遊べて楽しそうでした
第213話 久々にレオと遊べて楽しそうでした
「粉末では無いラモギ……薬効のある花弁を乾燥させた物、させない物、もちろん粉末にはしていない物です。その他に……」
セバスチャンさんが、色々と薬草の名前や状態を出してヘレーナさんに伝える。
俺としては、病に効果のあるラモギの粉末でしかワインの病の素を取り除く事は出来ないと考えていたのだが、セバスチャンさんは違ったようだ。
色々な状態のラモギ、別の薬草で試す事で、ワインの状態がどうなるのかを見るのと一緒に、別の薬酒を製造する事ができないか、という事らしい。
病とは別に、健康増進の薬酒とかができれば、と考えているみたいだな。
さっき俺も考えた事だが、ラモギは健康増進のための物じゃないから、別の薬草で試して……という事だな。
「まぁ、そういった物ができれば儲けもの……というだけですな。こちらはラモギを混ぜるワインとは別に、少量を使って試作してみて下さい」
「わかりました」
ラモギは病に対して効く事がわかってるから良いが、他の薬草は病にどう作用するかわからない。
もしかしたら、病の原因の方が増幅されてしまう可能性だって考えられる。
だからセバスチャンさんは、ラモギ以外の物は少量で、と言ったんだろう。
ヘレーナさんと他の料理人さん達にお願いして、俺とセバスチャンさんは厨房を出る。
「あとは、フィリップがワイン樽を持って帰るのを待つばかり、ですな」
「そうですね。薬草がワインにも効果があれば良いのですが……」
「そこはヘレーナの言うように、試してみないと何とも言えないでしょうな」
試した事が無いのだから、試してみないと結果はわからない。
新しい物を作ろうと考えた時、誰しもこういう不安というのは感じる物なんだろう。
「思いの他、時間を取ってしまい申し訳ありません」
「いえ、俺にとっても良い考えだと思うので、気にしなくて大丈夫ですよ」
そう言って、セバスチャンさんと別れて、また裏庭に出る。
「あ、タクミさん」
「師匠!」
「ワフワフ」
「キャゥ」
裏庭には、ティルラちゃんとミリナちゃん、シェリーがレオに乗って遊んでいる途中だったようだ。
俺が裏庭に来たのを見て、皆が声を掛けてくれ、レオが俺に駆け寄って来る……もちろん上に乗ってる皆も一緒だ。
「皆、レオと遊んでくれてるのかい?」
「レオ様が私達と遊んでくれてるんですよ、師匠」
「久しぶりにレオ様と遊びます!」
「キャゥキャゥ」
「そうかぁ。レオ、良かったな」
「ワフワフ」
レオに乗ってる皆は楽しそうだ。
結構長い間ランジ村に行っていたから、ティルラちゃん達は久しぶりにレオと遊べると喜んでくれてるんだろう。
一度ガラス球を届けるために屋敷へ帰ったはずだが、その時は異変を感じたレオがすぐにランジ村に向かったので遊ぶ暇もなかったんだろうな。
久しぶりにティルラちゃん達と遊べて、レオのほうも嬉しそうに頷き、尻尾もブンブン振られている。
「タクミ様も一緒に遊びますか?」
「いや、俺は薬草作りがあるからね。ティルラちゃん達で存分に遊んでおいで」
「師匠、手伝いますか?」
「大丈夫。急いで作らないといけない物じゃないから、ゆっくりやるよ」
ティルラちゃんの誘いを断り、薬草作りをしようと裏庭の隅へ移動する。
その途中で、ミリナちゃんが手伝うと申し出てくれるが、今は楽しそうにレオやティルラちゃんと遊んでた時間だからな。
邪魔しては悪いから、手伝いも断って皆で存分に遊ぶように言っておいた。
セバスチャンさんは思ったより時間が取られたと言っていたが、俺の方は予想より時間がかからなかったと考えてる。
これなら、隙間の時間とは言わずしっかりと『雑草栽培』を使う時間が取れそうだ、この後の予定も無いしな。
「ふむ、今回はこのくらいで良いか」
ランジ村にいる時と違い、色んな種類の薬草を作ってカレスさんの店に卸す物を揃える。
ラモギも多めに作ってあるが、しばらくラモギ以外の薬草を少なめにしているから、そろそろ品切れでもおかしくないだろうしな。
薬草畑のようになっている場所で、ティルラちゃん達の楽しそうな声を聞きながら、摘み始める。
その作業をしながら、一応俺の方も何か薬酒に良さそうな物がないかを考える。
「セバスチャンさん達に任せっきりなのもいけないしな。俺が作れる薬草から、薬酒に出来そうな物を考えよう」
ラモギは使うからそれは置いておいて、他の薬草……健康に効く物が良いかもしれないな。
健康に良く味も良い。
アルコールが強めだから多飲は禁物だが、それと混ぜても効果の無くならないような薬草が良い。
相乗効果で血行が良くなったり、内臓が綺麗になったりとか、そういうのも良いかもなぁ。
「おっと、うっかり変な薬草を作ったりしないようにしないと」
俺が薬草の事を考えて地面に手を付けていたら、意識せずとも『雑草栽培』が発動してしまう可能性が高い。
今までそれで良い事が多かったが、効果のわからない物を試すのは避けた方がいいだろう。
まずは、確実に薬酒に出来そうな薬草を考えてからだ。
「ふむ……この世界は医療が発達していないから……」
俺にしか考え付かない薬草、というのもあるかもしれない。
それが薬草として栽培できるかどうかはわからないが、前の世界の知識を使って考えるのも悪く無いかもしれない。
そうして、俺は楽しそうなレオやティルラちゃん、ミリナちゃんやシェリーの声を聞きながら、薬草作りの傍ら、薬酒に使えそうな薬草を考えて行った。
……意識せず『雑草栽培』が発動しないよう気を付けながらだけどな。
数日後の昼前、しばらくの間例の店に手出しはできない事もあって、のんびりと過ごしていた。
ティルラちゃんとの鍛錬やミリナちゃんとの勉強、薬草栽培をしたり薬酒の事やランジ村の事を考えながらだけどな。
「タクミ様、お客様が参られております」
「俺に、ですか?」
「はい、ニックさんです。客間にて待たせていますので」
「あぁ、わかりました。すぐに向かいます」
そろそろ昼食かなぁと思っていた頃、ライラさんに言われてニックが訪ねて来た事を知る。
俺が屋敷に帰って来てから、数日はカレスさんの店へ別の人が薬草を届けてくれていた。
俺が帰って来た事を伝えるためや、街の様子を見る役目もあったみたいだ。
それが昨日までで終わり、今日から以前のようにニックが取りに来るようになった。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます