第30話あれから

あれから3年が経った。俺と花の間には2人の子供が出来た。名前は優希と優奈だ。

これは花が付けたいと言った名前だ。名前の由来は花の大親友で俺の元カノの優希奈から来てる。優希奈とは友達として接するようになった。友達としてと言っても付き合ってた頃と大して変わりはないけどなんか俺はスッキリしてる。なんかこう心のつっかえていたものが取れた感じだ。

俺は大学時代に教員免許を取っていたので今年採用試験を受けて晴れて教員になった。

勤務先はまさかの優希奈に一目惚れして告白して付き合って振られた俺の青春が詰まったあの高等部だ。俺は放課後に相談室を作った。あの頃の俺達のように悩んで苦しんでる生徒はいっぱいいるだろうからそいつらの支えになりたいそんな思いから作った相談室だ。

相談室の名前は「夕暮れ相談室」で相談室の場所は優希奈と一緒に夕暮れを見ていたあの教室だ。

コンコンコン

今日も迷える生徒がいるようだ。





あれから3年私は声優としてやっていけるようになりバイトを辞めた。

花さんとは夢以上に話があって今では大親友になった。夕と花の間には優希と優奈という2人の子供が生まれた。

花が私から名前を貰いたいと言ってきた時は驚いたが嬉しかった。

夕は前に務めていたプラスチック工場を辞め採用試験を受けて教員になった。

私達の青春が詰まったあの学校で彼は教員をやっている。しかも放課後は私達の思い出の場所で「夕暮れ相談室」なんていう相談室をやっているらしい。

そうそう私たちの中を引き裂こうとした黒幕の夢は2人の式の翌日から連絡が取れず姿も見ていないが風の噂によれば西園財閥の名前を使ってやりたい放題やって沢山の人を傷つけたことがバレたそうだ。しかも西園財閥の夢のお父さんの奥さんはまだだいぶ若い人で2年ほど前に待望の男の子を出産した。好き勝手やられて財閥の名に傷をつけられたからと勘当されたらしい。振られた元彼に泣きついて居候しているとか。夢に協力していた人達は今まで傷つけた人たちの元へ出向いては謝罪をしているらしい。

プルルルル

「もしもしマネージャー?」

「今度恋愛もののヒロインをやることが決まったよ」

「ホントですか?なんてタイトルなんですか?帰りに本買って帰ります」

「タイトルは『夕暮れの教室』で雛森楓って人の作品みたい。旦那さんの実体験を綴ったものだって」

雛森楓とは私の元彼夕の妻で私の大親友花のペンネームである。

花は小説家なのだ。まさか私が知らない間に私たちのことを書いていたなんて。

夕は知ってるのかな?

「来週から忙しくなるからね」

「はい」

「じゃあね」

私たちが主役のアニメで私がヒロインの声を担当か。なんか変な感じ。でも嬉しいかも。

本のこと夕知っているのだろうか?確かめるために私は彼の居る夕暮れの教室へと急ぐ。

今日も綺麗な夕暮れだ。

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夕暮れ 内田美穂 @Ayamichiho

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