科学か魔術、どっちで異世界行きたい?

糖来 入吐

第1話『転校』

僕の名前は生田いきた 久内くない、高校1年生1ヶ月目だ

何処にでもいる普通の高校生の俺だが……

中途半端な時期である5月に、俺の転校が決まった。


「おい!! ふざけんなよ!! 何で今の時期に転校! この時期に別の学校に行っても友達なんて出来ねえぞ!! だってもうこの時期ってグループが出来てるもん!! せめて4月にしてくれよ!!」


と俺は父さんにキレた。

母さんは、


「仕方ないでしょ? お父さんがこの時期に会社でミスをして左遷されたんだから……場所は熊本よ、大丈夫よ、都会の子をハブるなんてそんなドラマや映画みたいなこと起こるわけないでしょ?」


と笑いながら言った。

父さんは


「まあ人生色々あるさ! お互い頑張ろうじゃないか!」


と何食わぬかで言ってくるのが、余計に腹が立った。


「てめえ!! 日頃俺と母さんに家事をさせてんだから、せめて仕事で成果を出せよ!! 昇進ではなく左遷で迷惑を掛けるんじゃねえ!!」


と言ったが


「誰にでも失敗はある!! そんなことでいちいち目くじらを立てるなんて人としてどうなんだ!! 父さんはお前をそんな分からず屋だとは思わなかったぞ!!」


と言ってやったみたいな顔で叱責を受ける。

しかし俺も負けじと


「何が失敗は誰にでもあるだ!! 父さんは俺に入試で失敗するなと言ったから平均の成績から何とか少し上のランクの高校を受けて合格したのに自分はそんなんでいいのか!! 人には失敗をするなと言って自分は失敗するなんて父さんには威厳がないのか! せめて謝れ!! 俺の無駄な努力に謝罪をしろ! せっかく受かったランク上の高校の入学を無駄にしやがって!」


と反発したが父さんは憐れむような顔で


「やれやれ……誰のおかげで飯が食えてると思ってるんだ? 俺が働いてるからだろ? 何だ? 働かなくていいのか? じゃあ、これからはお前が自分で働いて生きていけばいいだけのことだ? どうした? 自分では出来ないだろ? 中卒で雇ってくれるところなんて無いに等しいぞ?」


と下種なことを言い出した。


「お前は……本当に最低だな……前から思っていたが母さんはどうしてこんな奴と結婚したんだ……」


と呆れながら聞いたら。


「駄メンズ好きって知ってる?」

「もういい」


と聞きたくないことを言われてしまった。

そして


「もういいよ……屑に謝罪を求めた俺が馬鹿だった……これも運命と捉えて熊本に行くよ……母さんのパートだけだと食ってはいけないし……今の高校に行きながらバイトなんて絶対に無理だし……糞……結局この屑にしがみ付かないと生きていけないんなんて……何て残酷な……」


と頭を抱えた。

そして俺は少し

今流行りの異世界転生や転移でもしたら少しは俺も楽しい人生になるんだろうか……

と叶わぬ願いが頭を過った。


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そして、次の日俺は友人たちに別れを告げて夜行バスに揺られて大荷物を持ち引っ越し先へと向かった。

そして俺は


「なあ……何で引越し屋さんに荷物を頼まないんだ?」


と無駄な質問をした。

すると父さんは


「家買ったらそんな金が無くなったからだ」

「元の家売ったら金が入るだろ!!」

「その家を買った時のローンで消えた」


とまるで当然のような顔で言い切った。

母さんは


「まあ私たちの資金程度ではこれが限界ってことよ、一般家庭ではあるけど父さんが左遷されたことによって給料も減額されたのが影響よ」


とさらっととんでもない情報を説明した。

それを聞いて俺は頭を抱えて


「なあ、これからの生活は成り立つんだろうな? まさか一般家庭から貧乏苦学生になる可能性も視野に入れなきゃいけないのか?」


と聞くと


「まあ、大丈夫だ、ある程度切り詰めれば生活は出来る、そうお前の小遣いを50円にさえすればな」

「小学生か!!」


と俺の小遣いが父さんの給料と同じく減額された。

流石に俺も


「仕方ない、バイトでもして何とか小遣いを稼ぐか……」


とボソッと言ったのが間違いだった。


「母さん! 聞いたか!! 息子が働いて家に入れてくれるってさ!!」

「ハハハ!! あなたって本当に屑ね! 息子の小遣いに集ろうなんて!」

「何なんだ!! 何なんだよ!! この親共は!!」


とギャーギャー騒がしくしていた為乗客たちに睨まれる。

ただでさえ大荷物で乗客たちの場所を占領せざる負えない状況でルールを守らない者など明らかに他の乗客にとって反感の対象になったのであった。


「コラ久内、静かにしないか、常識も分からないなんて情けないぞ」


と父さんは呆れながらこっちを見る為


「絶対に大人になったら1人暮らしする」


と心の底から決意した。


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そして、俺ら家族は熊本の人吉駅に着いた。

そこでは丁度市長を決める選挙が行われていた。


「この熊本に都市開発をします!! 考えてみてください!! 今更地球環境を守ったところですでに地球は限界に来ています! そんなことよりも自然を破壊してでも開発の場所を増やすことで地球外でも過ごすことの出来る環境や開発に力を注ぐべきではないでしょうか!! 良いですか皆さん!! 人間は偉大です!! だから良いのです!! 横暴に生きていい権利を我々は他の生命体よりも先に手に入れたのです!」


と皆に呼びかけていた。

そして


「このまま地球の環境を守るよりも我々が生き残る方法を考えるべきです!! 100年後200年後我々の子孫が生き残るには中途半端に環境を守るのではなく破壊をしてでも生きることの出来る世界を作ることこそ! 本来我々がやるべきことではないのでしょうか!! ある程度の環境を残しつつ開発に取り組むのです!!」


と演説している。


「とんでもねえな、あの男……」


と俺が引いていると母さんが


「何を言ってるの、環境を守ろう守ろうって言ってるだけで排気ガスまき散らしている偽善者共よりまだマシな方だと母さんは思うわよ」


と言ってきた。

俺は


「そうですか……」


とだけ言った。

市長候補の男性の演説を聞いていた1人は


「でも動物が絶滅したらどうするんですかあ!!」


と動物愛護団体っぽい人がするような質問をした。

するとは男性は


「クローン技術があるではないですかああ!!」


と答えた。


「なるほどおお!」

「その通りだ」

「さすが、伊勢いせさんだ」


と質問した人は即座に納得した。

他の人も伊勢と呼ばれる男の言葉に感銘を受けているようだった。


「それでいいのかよ……」


と俺は誰にも聞こえないようにボソッと言った。

だが俺にはそんなの今は関係ない。

何故なら今は環境や都市開発よりも自分の事をどうにかしないといけないからだ。


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そして、俺は新しい新居に着いた。

着いたのはいいんだが……これは……


「父さん……新居の為に引っ越しのお金がないって言ってなかったっけ?」

「ああ、そうだな」


その家はもうボロボロでそれどころか隣にある屋敷のせいで完全にその屋敷の物置の様な状態であった。


「お前!! 何を考えてるんだ!! 何に使った!! お金を何に使ったんだ!!」


と俺は父さんにキレた。

父さんは呆れるように


「嫌だからこの家に住むために使ったんだが?」


と何を言っているのか分からないみたいな顔で言った。

俺は


「こんなボロイ家が俺らの財産で買える限界なのか!! おかしいだろうが!!」


と怒ったが父さんは半笑いで


「お前の学費と転校手続きでも消えたからな、前の学校が高すぎたんだwwwウケルww」


と言い切られ俺は


「畜生目がああああああああああ!!!」


とキレながら言った。

そして俺は、こんなボロイ家の中に入って住む以外の選択肢はないため仕方なくこの家に住むことを心の中で決意した。

すると隣の屋敷の使用人らしきとても綺麗な女性が話しかけて来た。

その人は外国人なのか金髪碧眼で出るところは出ていて引っ込むところは引っ込んでいる美そのものの様な女性だった。


「あら? こんなところにみすぼらしい家が建ったと思ったら住むのかしら?」


と意外と口が悪かった。

俺は


「ああ……どうも……お隣さんですね……これからよろしくお願いします」


と言って苦笑いしながら挨拶をした。

すると父さんは


「これはどうも! こちら菓子折りになりますのでどうぞお受け取りください!」


と言って少し高級なお菓子を女性に渡した。

女性は


「へえ!! これ凄く高級なチョコレートじゃないですか!! 旦那様もお嬢様方もお喜びになります! ありがとうございます!」


と言って笑顔でお礼を言った。

どうやら口は悪いがお礼などはきっちりとしている人のようだった。

そして


「自己紹介が遅れました、私このお屋敷でメイド長をしているレバールバブーダ・RT・ゼンラと申します! レRゼと呼んでください! これからよろしくお願いします!」


と言って笑顔で頭を下げて自己紹介をした。

略称したのだろうが逆に呼びにくそうだと思った俺だがあまり深くツッコまないようにした。

すると


「その呼び方逆に言いづらいですよ」


と母さんは空気を読まずに言った。

レRゼさんは


「ま! そうですの! ではRT・ゼンとお呼びください」


と略称を変えて来たが結局呼びづらそうだった。

すると母さんは


「それなら大丈夫です!」


と言って握手をする。

俺は母さんの感覚が分からなかった。

するとRT・ゼンさんは俺の方をじっと見て


「あなたはお嬢様と同じ年のように見えますね! もしかして高校生ですか?」


と聞いてきた。

俺は


「は! はい! 高校一年です! 今月から人西(ひとにし)高校に入る予定です! あ! こちらも自己紹介します! 生田 久内です!! よろしくお願いします!」


と緊張のあまり順序が変になったが挨拶を俺はした。

それにつられ父さんと母さんも


生田いきた 栗弘くりひろですよろしくお願いします」

生田いきた 魔像まぞうですよろしくお願いします」


と父さんは普通だが母さんの名前は今流行りのキラキラネームだった。

それを聞いてRT・ゼンさんは


「奥様変わった名前ですね」


と言うと


「そうなのよ! キラキラネームなのよ! 今流行りの!! ビックリでしょ!」


と笑いながら言った。

俺も母さんの名前は変だと思うが苗字しか名乗っていないのであまり気にしていなかったがいざこういう時にその名前を聞くとちょっと変な感覚に襲われた。

父さんは


「そんな変わった名前のお前も好きだぞ」


と父さんは肩を抱いて言った。

母さんはその手を振り払って


「今度お食事に行きましょうね!」

「ええ! ぜひ!」


と約束を取り付けてRT・ゼンさんと別れた。

そして、ボロボロの家に入って行った。

屋根はもはや腐ったような木で壁も錆びた鉄の様な状態であった。

俺はその家を見て父さんに聞いた。


「なあ、これ新居じゃないよな」


と聞くと


「当たり前だ、隣の屋敷の人から買い取ったものだ、結構高額だったが質素でいいだろ?」


とドヤ顔で言ったためイラッときた。

母さんは


「ねえ、お腹減ったから取り敢えずインスタント作っちゃうわよ」


と言ってカップ麺にお湯を注ぐ。

そして、その日は何事もなく終わった。


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次の日俺は転校先人西高校に行き転校生として校長に挨拶をした。


その頃クラスでは


「なあ! 聞いたかよ!! 転校生がやって来るって!!」

「へえ!! どんな奴なんだ!!」

「男なんだって!!」

「まっマジかよ!! 最高じゃねえか!! 興奮してきたぜ!」

「いッ良いお尻してるかな……」

「何言ってんだよ! きっとそうに決まってるだろ!!」


と1つの男グループは盛り上がっていた。

それを見ていたもう1つの男グループは


「おい! 大丈夫なのかよ!! 転校生あいつらに掘られるんじゃないか!」

「だっ大丈夫だ……奴等とてさすがに無理矢理はしないだろう……偏見はよせ」


とリーダーらしき男は言った。

近くにいた男たちは


「だがあいつらはホモ! 男好き共だ!! 俺らが女で欲情してしまうようにあいつらだって!」


と心配をしている。


「お前だって女をいきなり襲ったりしないだろ!」


と言って落ち着かせる。

もう1人のクールっぽい男は


「まあ、このクラスにはいろいろな人がいるしね、だが大丈夫だよ、今まで問題はなかったろ? 問題になりそうな人間はいっぱいいるが」


と言って笑っていた。

すると隣の女子は


「アンタもイケメンなんだから二次元の抱き枕を持って授業中に寝ないでよ」


と呆れながら近くのイケメン男子に言った。

イケメンの男は


「何を言ってるんだこの三次元は……レディーを愛でるのは紳士の役目だろうに」


と呆れながら抱き枕をクンクンと臭った。

他の皆は呆れたような顔で見ていた。

すると


ガラガラガラ


とドアが開いた。

そこからは何か魔女っぽい姿の女子が入ってきた。

顔は凛としていてクールっぽい表情であり髪は銀髪の綺麗なサラサラとしていて見ていて飽きないような姿であった。

女子の1人は


「おはよう」


と挨拶をした。

その女子は


「おはよう」


と言って席に座る。

その後その女子に男子たちも話そうとしたが


ガラガラガラ


「席に着け―、転校生は噂で聞いてるんだろ? 紹介するぞー!」


と言って先生が入ってきた。

そして、


---------------------------------------------------------------------------------------


俺は教室に入った。

そこには普通にクラスメイトが席に座っており自分の方に目線をやっていた。

やはりどこの学校でも転校生が来ると気になるのかもしれない、

俺のその状態を利用して何とか話せる程度にはしておこうと思った。

すると男子数人が


「「「何だ……可愛い男ではないのか……」」」


とガッカリされた。

何だ……何でガッカリするんだ……俺何かしたか……

と考えたが覚えがない為、取り敢えず気にしないでおこう……と考える。

そして


「じゃあ自己紹介よろしくなー」


と先生は言った。

俺は


「俺の名前は生田 久内だ、よろしくお願いします!」


と緊張しながらも名前を取り敢えず名乗った。

そして、細かい自己紹介をしようとしたが


「取り敢えず今ここで長々と語るより話しかける奴に話した方が良いだろ。その方がコミュニケーションが取りやすいし友達もできやすいと俺は思うからな」


と言って俺肩を叩く。

それを聞いて俺も確かにそうかもしれないと思った。

何に興味があるかやどんなことをしているとか何で転校してきたとか、今ここで言ってしまうと質問が無くなり話しかけづらくなるだろう、質問を残しておく方が無難だと俺も思った

そして次に先生は


「では、そこの伊勢いせ 加代かよさんの隣が開いてるだろう、そこに座ってくれ」


と言った。

俺はその女子を見ると明らかに目を輝かせていた。

俺にも春が到来したのかと思ったが服装が明らかに普通のそれとは違った、

何故魔女の姿……と考えたが今流行りの厨二病なのかと思い気にしないことにして隣に座る。


「よっよろしく」


と緊張しながらも言ったら」


「はい! よろしくお願いします!」


と言ってきらびやかな笑顔で言った。

魔女の様な帽子を被っている為分からなかったが顔は凛としていて銀髪の髪をしている。

という明らかに美人であった。

その為俺はこんな美人なら厨二病でもいいかと思った。

そして俺は


「すみませんが教科書がまだ届いていないので見してもらってもいいでしょうか?」


とコンタクトを取ると


「良いですよ!」


と言って机を寄せてくれた。

俺は少し嬉しくなり笑顔がこぼれる。

そして、そのまま授業に入った。


そして、休憩時間俺は質問攻めには合わなかった。

それどころか


「良かったな……可愛くなくて……」


と唐突にディスられた。

そんな失礼なことを言ってきた男子に


「それどういうことだ……初対面の相手に失礼じゃないのか?」


と少しムッとして聞いたら


「ああ、ごめんごめん、そういうことじゃないんだ! ただ、あのグループに目をつけられるのだけはさすがに可愛そうだと思ってな……一応聞くがノンケだよな?」


と当然のような質問が来た。

俺は


「ああ、そうだが?」


とよく分からないまま正直に答えた。

そして俺は


「もしかして可愛い系は女子にモテるからいじめに合うのか? でもさっきあまり良く思われてなかったが?」


と聞くと


「あのグループはホモグループだ、今の時代珍しくないがこのクラスではグループでいることが多い、まあ我々男子としてはやはり不安があるがな……」


と少し奇妙な気持ちを聞いた。

確かに俺も好意を持たれていないと分かっていても、もしもの時どう答えるべきなどは悩みどころだろう……興味の無い物は興味が無いのだからそれはそれでしょうがないのだろう。

と思った。

すると


「まあ、彼女持ちの俺には関係ないがな……フ!」


と煌びやかなイケメンが言った。

俺は少し嫉妬した。

するとイケメンの男は


「なあ? レイミーちゃん!」


と言って二次元の女の子が裸で載っている抱き枕を出した。


「これが無ければ……」


と先ほどまで話していた男子が言った。

俺も残念イケメンだとすぐに思った。

すると先ほどまで話していた男子は


「ああ! 忘れていたよ! 俺の名前は神谷かみや 清吾せいごだ! よろしくな!」


と自己紹介した。

そして、イケメンの男は


「俺は外田そとだ 健也けんやだ、よろしくな」


と自己紹介をした。

俺は


「よろしくな」


と言って軽く挨拶をした。

俺は近くにいた伊勢さんが見つめるのが気になった。


「ああ、伊勢さん可愛いよな」


と言って清吾がうっとりとした顔で言った。

健也は


「まああの子は人気だよな、隣にいるクラスの双子の姉と同じく」


と言って目線を清吾の見る方向へと移す。

俺もその子を見て確かに可愛いと思った。

しかし


「何で伊勢さんは魔女の格好をしてるんだ……やはり厨二病か?」


と聞くと

清吾は


「まあそうだろうな、だが今どき厨二病なんて珍しくないだろ? 可愛ければいいだろうに!」

「それは俺も思ったが」


と言って清吾は目を輝かせる。

確かに、珍しい髪の色で人気があると言われても分かる気がする。

むしろ厨二病が彼女の魅力を引き上げているようでもあった。

すると近くにいた女子は


「ねえ! 伊勢さん! 学校終ったらホテル行かない! 優しくするから!」


と言ってまるで買い物に誘う感覚で言っていた。

俺は何を言ってるんだこいつ……と引いていた。

すると清吾は


「あいつは肉食系女子だからな、女限定の……」


と言った。

俺は


「異性に目を向けることは?」


と聞くと健也は


「無いな、俺が三次元の女に興味を持つことが無いように」


と言った。

その言葉に出逢ったばかりの俺でも何故か納得がいってしまった。

すると伊勢と呼ばれた子は


「ごめんなさい、今日は部活があるのとしないといけないことがあって」


と断った。

するとその女子は


「そうか……残念、股誘うね!」


と言って他の女子の方へと行った。

それを聞いた俺は


「何故だろうか……今また誘うのまたが別の意味に聞こえたような気がする」


とボソッと言った。

すると


「もうお姉さま!! 14Pなんて聞いてませんよ!」

「フフ、皆私の可愛い妹よ」


ととんでもないことを言った。

ちなみにこのクラスの女子は15人で男子は15人の30人クラスであった。


「あの女……このクラスの女子を掌握しているのか……」

「ああ、だからこのクラスでのマドンナは強制的に伊勢さんのみになる」


と清吾は言った。

健也は


「まああの女は矢田やた 女々子めめこだ、半日で女を垂らしこむ天才だ、この地域では有名だ」


と半笑いで言った。

健也は


「母さんの浮気相手があいつって知った時父さんは何とも言えない表情をしていたよ」


と言った。

俺は何も言えなくなった。


そして、先程のホモグループと言われている男子たちは


「なあ、いい男紹介してくれよ!」

「何言ってんだ! そんな奴いたら俺が狙ってるっての!」

「ああ……俺も可愛い彼氏出来ねえかな……」

「なあ! このアイドルグループでどの男(こ)が好みか言い合いっこしようぜ!」

「「「イイネ!!」」」


と盛り上がっている。

失礼ながら少し吐き気を催す。

そして、これ以上聞かないように意識を向けないようにした。

その時


「よう、転校生! 初めましてだな! 俺の名前は龍田りゅうだ 来栖きさいだ! よろしくな!」


と突然現れた。

俺は


「おお! びっびっくりした……」


とビビった。

すると清吾は


「こいつはこのクラスのリーダーの来栖だ、自由自在に気配を消すことが出来るんだぜ、凄いだろ」


と言った。

俺は


「ああ、凄いけど何でそんなことが出来るんだ……」


と聞くと


「生まれてから出来たから分かんねえ、だが下泥には向いてるぞ!」


と自信満々に言った。

俺は


「警察を呼ぼう」


と携帯を取り出そうとしたら


「女のパンツで取引しようか?」


と言われて


「仕方ない」


とさすがの俺も男の為、目を瞑ることにした。

そして、パンツを貰った。

俺は


「これは誰のパンツかね?」


と聞いてみると


「ここの取材に来た女子アナウンサーのパンツだ」

「な!」


ととんでもない情報を知った。

そして、猛スピードでスマホを取り出して調べるとここに来たのは最近可愛いと評されていた女子アナだと知った。

俺は


「どうやって盗んだんだ……気配を消すにも限度が……」


と聞くと


「へ? 堂々とそいつが楽屋の着替え最中に盗んだが?」


と当然のように言った。

やはりこいつは恐ろしい奴だと思った。

清吾は


「本当にさすがだよな……リーダーは」


とブラジャーを1万円で買っていた。

健也は


「ああ、だが俺は必要ないがね」


と言って抱き枕を抱きしめる。

来栖は


「声優のパンツでも取って来てやろうか?」


と聞くと


「いや、いいよ、俺は二次元が好きだから」


と言った。

どうやら健也は来栖の誘惑に勝てる唯一の存在みたいだった。

そして、休憩時間も終わり授業が始まり普通に伊勢さんに教科書を見せて貰いながら授業を受ける。

すると


「ねえ、生田君……」


と伊勢さんが話しかけてきた。

俺は緊張しながら


「な! ドっどうしましたか?」


と聞くと


「今日ね、放課後話したいことがあるんだけど……いいかな?」


と緊張しながら言われた。

俺は


「大丈夫です!」


と言って即答した。

伊勢さんは


「良かった……」


とホッとしたように見えた。

それを見た俺は

モテ期か!!

と少し舞い上がった。


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