幕間『最終レポート(未送信)』

 





 我が最愛の友よ。

 

 君の前から姿を消し、あまつさえ、この記録を君のもとに届けないこと。

 いずれ天の上、はたまた水の底で再開したときには、詫びさせてほしい。






 結局、私にはあの金色の魚を殺すことはできなかった。

 あれは・・・彼女とあまりに深く結びついている。

 引き剥がしたとき、どんなことが起きるか分からない。

 そして、分からないことを行う勇気は、私にはない。

 どこまでも小さく、どこまでも学者なのだろう、私は・・・。




 フィン。

 あわれな娘、いとしい娘よ。


 どうか・・・どちらをも選ばない私を、恨んでほしい。


 


 異なる者よ。

 私と異なる者よ、これを読んでいるだろうか。


 もし、読んでいるのならば―――どうか、添付のファイルを閲覧してくれ。

 そして必ずや彼女を、この世界から解放してほしい。




 では、私はもう行くとしよう。

 

 後ろのゲートから海上へ出られる。君は、君の場所へ帰りたまえ。

 お元気で。











(記録者:ハロルド・マクミラン)






≪次章『揺らぐ金色の少女』へ続く≫

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