第43話*

 鏡に映っている! ということは今見えている相手はあなたが倒すべき吸血鬼ではない。恐らくは間抜けなハンターを騙すためのダミー人形だ。本物の相手はどこに潜んでいるのだろうか。豪勢な部屋だがそれほど広くはない。身を隠せそうな場所と言えば、バカでかいベッドしか無かった。


 あなたは慎重にベッドの方を見据えながら手近な台の上から何かをつかみ上げる。クリスタル製の灰皿だった。あなたは灰皿をダミー人形に向けて投げつけると同時にソファの後ろに滑りこんだ。


 ガシャン、という音がして灰皿が砕け散る。ブシュ、ブシュという音と共にソファに何かがめり込む音がした。


⇒第80話に進む

https://kakuyomu.jp/works/1177354054890935249/episodes/1177354054890936070

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