学校一の美少女が朝から幼女でねこみみ（＋しっぽ）モードだとは思わないんだが？

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　学校一の美少女と名高い生徒、佐東もずく。

　容姿端麗、品行方正、学業優秀、文武両道――そんなありきたりなフレーズでは言い表せないほど、兎にも角にも本物（モノホン）の『美少女』である。

　彼女の美少女っぷりたるや校外にまでその名を轟かせているというのだから驚きだ。

『佐東もずく、持ち前の美貌と才能で校内、いや町内中のハートを手中に収めつつある傾国の美少女』――もっとも彼女はお茶目で明るく（他人に距離を置かれるのを避けるためかもしれない）、その親しみやすさから周囲の視線と善意を意図せずその手中に収めている、というのが真実である。

　唯一の欠点はあの独特な名前くらいか。いや、あの名前がかわいいんだ――と議論が分かれるところではあるが。

　その彼女が――。

「あっ！　江入（えーり）くん、おはにゃーんっ」

――ねこみみ（＋しっぽ）幼女と化していた件について。