『身体は正直』

 現在と3年前を比べての、大きな違い……長年勤めたという職員さんが辞めた。それにより壁が無くなったように思う。


 何が原因か、よく服を破ってしまう子がいた。ちょっとのほつれを見つければ、ビリっと。


 周囲の目撃による、「あー! また破ったー」って声を聞かなくなった。その子の中で、ストレスがあったのかもしれない。原因は知らないけど。


 入ってすぐの頃は、ピリピリした空気で必死に頑張ってた。それが当たり前と思ってたんだもん。

 一時、くしゃみや鼻水が酷くなった。季節も春だったし、花粉症かと。部署を変更してからはぴたりと治まった。


 思ったことがすぐ声に出る子がまわりに多くて、チクチクと負荷になってたんだろうと今は思う。


 誰か抜ければ、誰かが入る。居心地悪いと感じて異動したけど、人が変われば悪くないと思えて、休憩時間はお邪魔しに行く。


「痛風って、お酒飲んだらなるやつ……だとすればよく飲む人が他にも居るのに、何にも聞かないなー」

「だからね、ストレスなんじゃないかと思ってるわけよ。理解されないだよねー」

「ストレスって怖いね……それは何書いてるの?」

「どこに資材あるか書いてるんだけど、誰も見ないんだよねー。読めない子もいるのかもね」

「あー、そうかも」


 小説より漫画が分かりやすいとか。

 文章でまとめられた資料より、グラフが少しでも入ってるほうが分かりやすいとか。

 そういう感じ。百聞は一見にしかず?


 メガネの男性職員。机には細かく分類されたものが沢山。初めこそは近づきにくかったけど、あれ…意外と? な面がみえて楽しい人。



  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る